2010/11/29

NTFより回答きたる。

未達と思っていたNTFへの質問メール、事務局の担当の方に届いていたらしく回答メールを頂いた。ご対応ありがとうございます…何度も送ってしまい申し訳ない。

まずロボトレーサの平面寸法に関する回答内容だが、

  • マイクロマウス競技規定とロボトレース競技規定は表現において若干違いが有るが、基本的な考え方は同一であり、形状の変化についてもマイクロマウスと同じ扱いで運用している。"全長"や"全幅"も、進行方向と関連付けたものではない。
  • 25cm×√2の幅があるロボットがスタート位置から発進することも規定内である。

ということで、少なくとも第31回大会では何の問題も無いようだ。
次に、以前書いたタコツボ直進という実現性や現実性は少ないが規則上の成立性判断は気になるケースについての回答内容だが、

  • このケースではロボットにその意図が有ったかどうかに関わらず、コースアウトとはみなされない。
  • 意図的にこのラインを自律走行したとしたら、大いに評価されるだろう。

ということだった。規則上に明記はされていないものの、運用上は昨日の最後に書いた

  • スタートゲートからゴールゲートに至る全てのラインの上を最低1度はロボットの一部が通過した上でゴールゲートに入り静止することが"完走"の条件
  • ロボット本体の床面への投影がライン上から完全に外れる、または上記条件を満たさずにゴールゲートに入るか逆走でスタートゲートに入る、または明らかに復帰不可な状態であるとオペレータが意思表示または審査員が判断した場合が"コースアウト"

と同等の状態にあると判断できるか。提言めいた内容も含めて「次回の規定変更時に参考にさせていただきます」とのことなので、次回以降は競技上可能な範囲、チャレンジ可能な範囲がより分かりやすくなる方向になると期待したい。

今回の回答を受けて、実現性はありそうだが未だ実践例が見られないようなショートカット走行について、一歩踏み込んでロジックを考えられる段階になった。成立性を含めてモノにならないと意味が無いが、アイデアが無いから模倣ベースでやろう…という気にもならない。競技のレベルが成熟すればするほど最初は模倣から学ばないと先達に追いつけないが、ロボトレース競技はまだその次元に無く、新発想・新技術の余地を大いに残していると思う。
これが実現できたらユニークで価値もあるな、というネタを探したい。

| | コメント (5)

2010/11/28

質問メールがNTFに届かない。。

ロボトレース競技で25cm×25cmの対角を幅に使えないのか?こんな走行は良いのか?という話がTwitter界隈でも行われていることを確認した。以下のようなロボットとコースの走り方はOKなのだろうか?など。

������35cm�������風�走���... on Twitpic

この辺がOKかどうかは運営側に聞かないと分からないため昨日からニューテクノロジー財団(NTF)のマウス関連と思われるメールアドレス宛に問い合わせメールの送信を試みているが、何度か試しても「catbus Disk quota exceeded」のため「Service unavailable」であるらしい…公開メールアドレスだからSPAMが大量に来て容量パンクに至っているのだろうか。

NTFに送ろうとしているロボトレース競技に関する質問事項は大きく2つある。次回大会の競技規則は後日決まるものとして、第31回大会における競技規則においてはどうかという前提で、以下に関する判断を得ようとしている。

  1. ロボトレース競技におけるロボットの平面サイズの解釈
  2. ロボトレース競技におけるコースアウトの定義

まず1だが、マイクロマウスクラシックとロボトレースでは平面サイズが「25cm×25cm」で共通ながら競技規則上の記述が異なっていることに触れている。違いは以下のとおり:

  • 1-3 ロボトレーサの大きさは全長25cm、全幅25cm、全高20cm 以内でなければならない。
  • 1-5 マイクロマウスの大きさは、その床面への投影が1辺25cmの正方形に収まらなければならない。走行中に形状が変化する場合も、常にこの制限を満たしていなければならない。

マウス側は非常に明快で、可動のセンサ等があっても常に枠内に収まらなければならない規則と読み取れる。一方でロボトレース側には"全長"・"全幅"という単語があり、車軸等で静的にロボットの前後方向を定義した上でサイズをチェックするのか?可動センサ等の扱いはどうなのか?という疑問が生じるため、これらに関してロボットの具体的な図と共に質問文を用意した。
個人的に期待するところは「平面サイズに関してはマウスと同一の規則」で、対角方向に進行するロボットも可能であることだが、これに関連して25×√2の幅を持つロボットをそのままスタートゲートに対向して置いてスタートできるか?という派生の質問も出している。

次に2だが、競技に関する規定におけるコースアウトの説明は以下の通り:

  • 3-1 ロボトレーサは、本体の床面への投影が常にコースを示すライン上にあるように走行する。走行中のロボトレーサ本体がライン上から完全に離れた場合をコースアウトとする。

…この内容だけでは、自分が出している「タコツボ直進」の例や上のTwitPicの例などがコースアウトとみなされるのか否かの判断が付かない。質問としては際どい「タコツボ直進」を例として、コースアウトであるか、正当な通過とみなされるのかを出している。個人的には

  • スタートゲートからゴールゲートに至る全てのラインの上を最低1度はロボットの一部が通過した上でゴールゲートに入り静止することが"完走"の条件
  • 現状の規定3-1に反する、または上記条件を満たさずにゴールゲートに入るか逆走でスタートゲートに入る、または明らかに復帰不可な状態であるとオペレータが意思表示または審査員が判断した場合が"コースアウト"

というように競技を定義することが、現状の実ライントレースが主体の競技を、積極的に仮想的なラインを定義してトレース走行する賢いロボットを許容する競技に昇華することにつながると思うし、個人的な意見として質問に沿えている。
本当にこういう競技になるとコースアウト判定が難しくなるだろうが、ロボットに関する説明を事前に提出する競技ゆえに、予想外の判定を強いられるような構図も無いかなと思う。現状では交差線を右折したら即コースアウト判定がなされているが、これも「ロボットに関する説明からは実ラインをトレースする以外の能力の存在が認められないため、復帰不可な状態であるとはみなせない」という判定ができるようになる。

| | コメント (0)

2010/11/27

ギリギリ。

ロボトレースでの最小Rタコツボへの直進突入、想像だけでは成立性が分からないので図を描いてみた。

  • 規定: 250x250mmの平面に収まること⇒248x248の枠に入れる
  • 規定: 最小Rはライン中心線を基準に100mm、ライン幅は19mm

Clip_2
…普通に幅250mmと捉えると当然足りないので、最大幅は対角方向で稼ぐ必要がある。図のようにセンターに乗せて直線で抜けるとすると、最小で"高さ約14mmの直角二等辺三角形"の領域だけをラインに乗せて走行することになる。まさにギリギリ、綱渡り。

| | コメント (0)

2010/11/26

ロボトレースのコース写真。

 ロボトレース決勝のコース写真を見る。決勝の見学時に座っていた椅子から少しカメラを持ち上げて撮った写真だけというのは失敗か…もっと高い位置から撮らないと奥側の情報量が不足する。
元写真 (原寸は3648x1364)
01_2
元写真を真上視点に変換したもの(適当)
02_2
このカメラの高さであってもレギュレーション上許されているロボットの高さよりかなり上だから、カメラ式のロボットを作ってもライン情報を精度良く使える範囲は狭そうだ。コースの効率的通過もカメラを使って云々ではなく

  • オドメトリベースでトレース走行したライン上の通過すべきポイントを抽出
  • 各ポイントの上を順番にロボット(の一部)が通過できるコースを導出
    …緩和曲線等を使った連続的なトレース走行が実現可能なコース
  • 計算されたコースを最小限の誤差でトレース
    …実ラインを使えるところは使い、使えないところはジャイロ等で補正して走行(進路周辺のラインを補正に使えるかはまだ分からない)

というような走行になるだろうか。マイクロマウスのターン走行や斜め走行で求められる技術との共通性、マイクロマウスよりも補正情報を取り難いという技術課題などが見えてきた。

前々回までのブログでは↑の最後の連続タコツボは真面目に走らなくてもいいよね?という観点で書いていたが、競技規則の

  • 3-1 ロボトレーサは、本体の床面への投影が常にコースを示すライン上にあるように走行する。走行中のロボトレーサ本体がライン上から完全に離れた場合をコースアウトとする。

からは想定しているショートカット走行が可能か否かは読み取れない。↑の連続タコツボの場合、進入前の直線からロボットを右に寄せて(ロボットの左端にラインを引っ掛けて)しまい、そのまま真っ直ぐ突っ込むような走行が効率的と思っていたが、ライン通過順序の厳密性を問われると順序が一部逆転する(奥側の凹カーブより先に手前の凸カーブを通過してしまう)という走り方はアウト判定となりそうで怖い。F1のダブルディフューザー問題ではないけれど、やるならば事前に運営側に確認しておかないといけない。

…加筆だが、ごく普通に実ラインをトレース走行するときも「トレースする前のラインにロボットの一部が乗る」ことは決勝コースのような密度の高いラインレイアウトでは普通に起きているのだから、前述のような逆転は問題とはなり得ず、一部ラインの不通過が確定となるようなライン取りをしたときにコースアウト判定がなされると解釈すべきか。(確認が必要なのは変わりない)

| | コメント (0)

2010/11/23

ロボトレースの未来予想。

昨日書いた、ロボトレース競技において"実ライン"ではなく"実質的なライン"をトレース走行するということをもう少し考えてみる。具体的には以下のようなケース:

  1. 直進や緩カーブの途中が少々うねっても、直線として走行
  2. Rの小さいヘアピンカーブや緩いカーブで大回りせず、より内側を走行
  3. 小Rの連続タコツボは複合カーブ(緩カーブ+脱出方向へのカーブ)として走行

1や2については、今回の大会でも構成上は実現可能なロボット、実践を示したロボットが存在した。ライントレースのためのセンサが本体から前に伸び、独立して左右に振ることが出来る構成のロボットが代表例だろうか。この構成を持つことでコース記憶後において

  1. ラインのうねりが小さい時はセンサだけをラインに追従させ、本体はヨーを出さずに真っ直ぐ突き進むことで、"実質的には直線走行している"とみなせる。
  2. 小Rのヘアピンでは、より手前からセンサを進行方向に振ってヘアピン奥の上部を通過させてしまう。緩いカーブでは本体をラインセンターに乗せずに走ってしまう。ルール上はそれで問題ない(はずだ)から、本体はその場所から反転を開始して問題なく、"実質的にはショートカット走行している"とみなせる。

といった可能性が出てくる。それぞれどういうアプローチが有利だろうか。

1では、センサのリーチが長いロボットほど本体のヨーを出さずに走行できるケースが増えて有利か?と思ったが、長すぎるとセンサを追従させるためのトルクや制御が厳しくなる。センサの完全追従は小さなうねりの走行時に留め、大きなうねりではセンサを前に伸ばしたまま進んだ後でセンサを確実に引き込むアプローチが有利だろうか。

2では、前に出しているセンサーや本体の横幅が大きな方が有利だと思う。重量物は重心付近に集めつつ、幅を最低限の重量で稼ぐイメージ。それで過渡的にはセンサ基板や本体やタイヤの端を引っ掛けるようにしてカーブを回った後でセンサを確実に引き込むアプローチが有利だろうか。

…どちらも一度ラインから外したセンサを確実に正しいラインに引き込めることが必要となり、そのためには"オドメトリ"が重要になる。局所的に実ラインに依存せず、ジャイロ・オドメトリ等を使って本体を確実にナビゲートする走行制御を実現することが、"違い"として高評価を得るカギだと言えそうだ。他にも走行全体のオドメトリも出来ていれば「ゴールマーカの誤認識で停車してしまう」ということも無くなるし、オドメトリで第二走行以降のマーカ依存性を下げる、それによりマーカセンサの設置自由度を上げる、という方向も有り得るだろう。
マーカセンサに関しては大会会場で「マーカセンサを確実にマーカ上に乗せるにはどうするべきか」に関する意見を聞くことが出来た。自分は可動式のラインセンサならその基板にマーカセンサも載せることが良いと考える派だが、「全ての走行回において、全てのマーカを確実に読むことが完走の"絶対条件"だ」という前提が崩れてくると、再考の余地が出てくるとも思う。

冒頭の3.は、極めて分かりやすい"違い"を作るネタではあるが、1や2に比べて難易度が高いし、1や2の実践を通して狙った走行ラインを安定して駆け抜けるナビゲート技術に目処を付けた人だけが、博打ではない3.と速さの両立を考えられるのだと思う。3の技術とは、

  • 入り組んだ実ラインを、最適な"通過ポイント"(開始/中間/終了)に置き換える技術
  • "通過ポイント"の上を確実にロボットが通るようナビゲートする技術

の集合であり、後者は1や2の技術の延長線上にあたるからだ。
前者はカメラを使った画像処理の方向しか思い付かず…今のところ重く遅く仰々しいロボットのイメージしか湧いてこない。クラシックマウスのCMOSカメラマウスのように、後続の人が出そうな程度までアイデアを昇華させないと厳しそうだ。

| | コメント (0)

2010/11/22

ひっそり生存報告。

このブログへの前回の投稿が3年以上前、客観的に見ると入院説やらが流れても仕方ない状態ですが…とりあえず元気です。

  • ロボットのシミュレータを作っていたはずが、3DCG方面の技術へどっぷり
  • さらにCGとカメラ映像を合成する方面の技術にはまり込む(今流行の何か)
  • 初期作例の公開先サイトに影響されて、音楽方面の趣味も出来てしまった

のような流れでロボット作りとブログ更新から距離を置いている状態でしたが、

  1. 本業で新規アイデアの玉出しが必要になった
  2. 19日の午後に翌日がマイクロマウスの全国大会であることを知った
  3. 「若い人の新しいアイデアが刺激になるかもしれない、行こう」と思った
  4. 夜篭ってアイデアを考えるために、つくばのホテルを前日予約、会場へ赴いた
  5. 顔を覚えてくれていた方々に「突然更新が止まったから…」と言われてしまった

ということで、生存報告がわりのブログ更新です。。

先ず会場でお会いした皆さん、運営の皆様、お疲れ様でした。事前の情報収集で「今期は好調らしいな」と把握、本番での活躍を期待していた参加者の方々が予想外の不調に終わってしまうなど意外なこともあったものの、自分の方は今日までに考えるべきアイデアを捻り出すことが出来たので第一目的は完遂。行って良かったです。

以下、大会の感想などぐだぐだと。

考え事半分ながら開会式から閉会式まで一通り見学を終えて思ったことは、やはりニューテクノロジー振興財団が主催の大会では何よりも”独創性”が大事で、且つそれに取り組んで価値を示した人がきちんと評価されているな、ということ。
例えばマウスのクラシック競技で 上向きCMOSカメラ+前左右ミラー+自作CPU内蔵のFPGAを搭載したマウスで参加された方が、本番ではゴールに辿り付けなかったのに、二度に渡って全員の前でのデモ走行と技術PRの機会を与えられ(いずれもゴール到達)、表彰もされている…そのロボットはもちろん、大会のあり方にも感銘を受けることが出来た。

"差"と"違い"は異なる。"違い"こそ本質価値であり、イノベーションを起こして明確な価値のある"違い"を作った人が評価される…本業でも言われることだが、もし大会の参加者になることを考えるときはちゃんと向き合いたい。現実には"差"を作ることさえ難しい本業があるからこそ、競技に参加するなら"違い"に拘りたい。「本業では品質や信頼性が重視されてるのでなかなか自由に出来ない、だから自由に取り組めるマウスをやる」というようなスタンスを紹介された方が居たが、同感だ。

5年前にロボトレースを見学したときかもしれないが、「豪快にドリフトしていてもラインに乗り続けているようなトレーサが見たい」というようなことを聞いた気がする。そこまで派手さは無くとも、5年も経っていれば明確な"違い"を狙ってくる人が居るかな?と期待したが、今回見た限りではまだ"実ライントレーサ"の範疇を出たロボットは無かったと思う。
工業高校生であれば、ライントレース型ロボットの題材としてコース製作が比較的容易かつ安価なロボトレースは良い題材と思えるし、運営側は模倣の要素があっても高校生のライントレーサとしての創意工夫は大いに評価すべきだと思うし、それは実践されていると感じた。一方で知識や経験が多い人には、大会の見学を通して「そろそろ"差"ではなく"違い"を出せ。いつまでも実ラインを追いかけるな」というメッセージを投げられていると感じた。個人的に参加を考えるとしたら、それに応えられるアイデアを考えざるを得ない…

"virtual"という英単語がある。これを初めて日本語で"仮想"と訳した(virtual memory⇒仮想記憶)のはIBMの方らしいが、非常に後悔しているらしい。本来は「実質上の」「実質的」という意味であり、"Virtual Reality"(VR)も"仮想現実"ではなく「現実の情報は実質的にこういうことですよね」と現実を目的に応じて要約し人工的に再構築したものになる。空想のような"仮想現実"とは受ける印象が全く違うので、後悔するのも仕方ない。
幾らか脱線したが、"virtual"を出した理由は運営からのメッセージが「ラインを"virtual"に捉えて走るロボットを作れ」というように聞こえたからだ。

  • 直進や緩カーブの途中が少々うねっても、全部直線として解釈
  • 小Rの連続タコツボは複合カーブ(緩カーブ+脱出方向へのカーブ)として解釈

のようにコース全体を"virtual"に再構築し、"実ライン"ではなく"実質的なライン"の上を自立航法+補正でトレースして走り、見た目には"実ライン"に車体の一部を重ねつつ合理的な走りをしているように見える・・・理想のロボットだと思うが、まだ空想の段階。

| | コメント (1)

2007/09/17

センサモデルの基本検討。

今日は敬老の日、しかし自分の業界では普通に出勤日。”完全週休二日”、完全なので三日はない(こともないか)。

シミュレーション課題の一つになっているセンサモデル、基本的なところから少しだけExcelで検討。
070917_sens_01 センサ素子の出力を模擬するためには、センサとラインの位置関係を押さえる必要がある。直線・クランク・レーンチェンジ要素については、シミュレーションの論理座標でこれらを垂直/水平方向に配置すれば、個々のセンサ素子とラインの位置関係、重なり具合はそれほど難なく求められるが、カーブ区間はどうするかというのが今日のお題。
とはいってもあまり深く考えずに、単純な方法を試行。前後2列の"センサ素子ライン"を延長し、カーブラインと”交わるライン”を求める。交点がないなら全くカーブに乗っていない。図のように”交わるライン”の範囲からセンサが完全に外れていることも判別可能。

070917_sens_02 通常トレース時には左図のようになる。個々のセンサ素子について"視野範囲"を定義し、

  • 視野範囲が黒/灰/白のラインに完全に乗っている→静的A/D値(+ノイズ要素/DC変化要素?)
  • 視野範囲が色境界に乗っている→境界からのズレ量に比例し変化する出力A/D値

を模擬する。コースモデルを数式で定義する方法をベースにしているが、個々のセンサ素子が別の数式を参照する状況が生じる点に注意しなければ。>自分

図のパラメータ表の下に出ている二つの数値は、それぞれ青線とセンターラインの交わる長さ。直線コースにセンサアームが真っ直ぐ乗った状態で代表値40ミリ、交わる角度が変われば必ず40ミリより長くなる。これはSSMセンサの取り付け間隔を狭くした状況と同じ効果をもたらし、差分出力の傾きがきつくなる、つまり変位量に対するゲインが大きくなる。この状況を想定し、SSMセンサの取り付け間隔は40ミリよりも広く設定。これまでは40.6~42くらいの範囲で試してきた。

先日”後追い検証”したUS/OS判別レポートでは前列にSSMセンサ、後列に姿勢センサが配置されていたが、横須賀で見たセンサは前後逆である、と(勝手に)推測している。前列側はかなり狭い間隔&後列側はSSMセンサらしい間隔に見えたこと、前後の位置オフセットがあれば判別可能であること、ディジタル的に見るセンサがトレースセンサより前方に出ているレイアウトの方が都合が良い(Type.Sもこのレイアウト)と思われること、などが理由。
上の図はこの推測(憶測)の下に数値を設定してみたが、「前が、後ろが」と切り離して考えず、統合的に利用できるセンサ構成と捉えた方が有効に利用できそうだ。

| | コメント (3)

2007/09/15

シミュレータ計画。

日立インターメディックスさんで、「アナログセンサー基板 Type.S」なる新型センサ基板の販売が始まっていた。マニュアルを見るとアナログ2/ディジタル6の8出力で、指定マイコンボードのA/D入力コネクタに全ピン直結しない使い方を暗に求めている。重量は8グラム、削れるものは全部削ったType.Rには至らなかったようだが薄い基板と面実装化で頑張っている。これで噂の”5モータ基板”(Type.S基板もここに接続か) もリリースされたならば、確実にアナログセンサな参加者が増加すると思われる。

話は本題、先日より始めた(稚拙な)走行軌道シミュレーション、ディジタルサーボ系のシミュレーションの取り組みを通して、包括的なマイコンカーロボットのシミュレータを作るプロジェクトの構想が浮かんできた。

  • センサモデル
    • ラインセンサモデル(アナログ/ディジタル)
      ‥ライン中心からの距離、ラインに対する角度を考慮したセンサ入力を模擬
    • エンコーダモデル
      ‥車体重心の移動速さと仕様(?ppr)、取得周期を使って位相計数入力を模擬
    • ポテンショメータモデル
      ‥有効電気角などから操舵サーボ系の A/D入力を模擬
  • 車両挙動モデル
    • 重心の前後位置、高さ、前後ロール剛性、ロール軸高さ、4輪の接地荷重、全体の慣性モーメントを考慮
    • 接地荷重、舵角とタイヤ駆動状況から、重心の速度ベクトル(速さ、方向)とその向き変化(角速度)、すべり角を模擬
  • センササーボモデル
    • センサ/センサアーム/減速ギア/前輪機構/サーボモータの慣性モーメント、サーボモータ出力特性を考慮
    • 慣性モーメントと離散的なセンサ入力、ポテンショメータ入力、PWM出力を反映したディジタルサーボ系の動きを模擬
  • 走行系サーボモデル
    • 車両の諸元、タイヤ-路面の接地状況と回転系の慣性、モータ出力特性を考慮
    • PWM出力、制御内容(正逆転/フリー/ブレーキ)を反映した車輪の動きを模擬
  • コースモデル
    • 大会仕様コースを考慮 (坂道含む)
    • 車体の現在位置に対応して必要となるライン位置、傾斜角の数式情報を上記モデルに提供
    • コースエディタによる任意コースの構築

‥個別の構想を書き並べると、実現の難しさも見えてくる。主な技術課題は車両挙動モデル/センサモデルの構築とその精度、計算速度の見極めか。早期に必要なのはコースモデルとその構築手段。コースを描くだけのエディタなら難易度は低いが、モデル連携を考えたデータ構造となるとまだ完成形は見えていない。

これらを全て実現できるとどうなるか。

  • マイコンカー制御アプリケーションプログラムでは、入出力は全てAPI経由で行う
  • APIの接続先をシミュレーション段階ではモデル関数、実走行段階ではハードウェア操作関数に設定

とすることによって、シミュレーションモデルで内容を確認できたC言語のアプリケーションプログラムを、そのままマイコンカーに載せることができる。モデルと実物の一致精度が上がれば、モデル上で任意のコースを走り、ログを分析し、制御ロジックを修正するというループが回せる。モデルを通して、理想の制御も探ることが出来る。
・・・ホンモノのクルマやレースカーでは普通に行われていることだが、個人レベルでどこまで出来るだろうか。とりあえずいきなり全体を構築できる状態ではないため、検討の薄い要素について個別に見通しを立てていく。

ホンモノの世界では工学分野の一領域となっていて参考となる論文が多々あるため、新たに探して入手。車両の運動、旋回特性、接地荷重などに触れた論文を読み、活用できるところ、マイコンカーでは不要と思われる要素を抽出する。
滝田教授の名前が入っている論文も、有名な2論文以外にも沢山ある。(「参考文献の"阿部正人"さん、安部先生の間違いですよね?」とは毎回伝え忘れてしまう)「SSMを用いた軌道誘導車両のドリフト旋回特性」「1kHzスマートカメラ搭載SSM軌道誘導車両の高速化」‥横須賀でも優勝のとくながさんに自らの論文に絡む問いかけを複数回投げていた。滝田教授は「高速走行用ライントレースカーの横滑り制御の検討」の論文も読んでいたのだろうか。

| | コメント (0)

2007/09/10

横須賀大会レポートを見る。

今日はプール曜日、最近は某bootcampの効果もあって以前より距離が伸び、連続で 2000~2500mを泳いでいる。1000mあたり18分のペース、速くはないが競泳トレーニングではなく健康目的なのでほどほどで良い。忙しさは不健康の理由にはならないし、せっかく継続できているので今後も運動は継続。もう若くはないし、油断したらメタボ一直線。

JMCRサイトでは事前の通告どおり、横須賀大会のレポートが公開されていた。マイコンカー紹介同様、画像サイズも大きくなり、一般の部、オープンの部、車庫入れ競技、ミニマイコンカーと一通りの紹介。マイコンカー競技のコースレイアウトが分かる写真も載っているが、この大会は公開OKに変わったのだろうか?それはさておき、マイコンカー競技以外の内容に注目し、大会を回想してみる。

車庫入れ競技は以前に書いたとおりの周回競技。これに絡んで競技前に「マイコンカー競技のコースに車庫入れ区間が接続されるか」という話を耳にしたが、実際には競技をスムースに進行するため別コースで競技を、ということだった。坂道やレーンチェンジは無いがクランクがある構成、決勝ではクランクと車庫入れ区間が2つに。田村さんは決勝で速度設定を間違えてしまい当人も「ああっ」という状況、惜しくも車庫入れ脱出後に落ちてしまった・・・残念。来年は完走する姿があるはず。藤坂さんは前日の試走から爆走。試走のはじめのうちは車庫入れでセンサがコースの端に引っ掛かったりしていたがドンドン修正、みるみるうちに速く周回するように。決勝の走行でも高速に周回、2回の車庫入れもバッチリ決まり、ミニマイコンカーな子供たちの驚く声と共に記憶に残った。完走&優勝おめでとうございます。アナログセンサなロボットにも期待。

ミニマイコンカー競技では、草むらの中に落としても間違いなく発見できる”真っ赤な新ロボット”が登場。コストが通常の三倍?とならないのは以前に紹介した”第三の基板屋”が絡んでいるらしい。構成としてもマイコン&モータドライバ一体基板、USB接続可能でスッキリしていて良い感じ。指定マイコンボードのコネクタはレイアウト障壁、マイコンだけ使って一枚に出来れば‥今のマイコンでは高速PWMが使いにくい‥と愚痴を言っても仕方ない。子供たちも過半数が完走、ものづくりの実践という機会が以前に書いた話よりもより強い原体験となって、マイコンカーのずっと先まで進んでいく子供が出てくるといいなと思った。

| | コメント (0)

2007/09/07

横須賀上位マイコンカーを見る。

TMCC会長様のブログを読んで、JMCRサイトに横須賀大会2008 決勝トーナメント進出マイコンカー のドキュメントが出来ていることを知った。これまでの紹介方法と異なり、モータやセンサの種類、寸法/重量、特徴や苦労した点まで書かれている。これを書くための手間がかなり増えたと思われるが、ドキュメントを見る側としてはこれだけ情報があることは喜べる。ありがとうございます。

SPANGLEは「これならば自分も作れるかも」というメカ設計の要素があるため、近いうちに以前の防衛大ロボットのようにモデル化したい。前輪のハブ周りとホイールにナゾが残る。

FRAGILE007は坂道センサが目に付く新装備だった。個人的には坂の上り始めを見るアプローチよりも"坂の頂点を見る"という目的に直結している点で好みのアプローチ。センサ基板もシンプルかつ合理的。石は04だった。

GodArthur3は以前ブログに書いたPortescapのモータとギヤヘッドを使っている。横須賀ではとくながさん同様に「ギヤヘッドの軸が曲がった」話を聞いたが、結果を残すロボットに仕上げてきた点で機械構造が参考になる。ランサーにも付いていた"ゴム足"も何気に良いアイデア。

ウォタースキッパーは原作を超えたロボット。低重心設計、ガチガチの高剛性で完全平面追求コンセプトも受け継いでいる。操舵周りのギア噛合せも固そう。一番「そこまでやる!」と思ったのは、シャシーCFRP板のバッテリーが載る部分が”凹加工”されていたこと。自分なら安易に穴を開けてしまう。マイコンボードに”基板”が面実装されていたり、指定モータのノイズ対策が基板&チップコンだったりするのも独特。決勝トーナメントでは大会一過激なレーンチェンジも披露。コース角にテープを貼っていなかったらタイヤが死んでいたと思われる。

STIKKは”一般の部キットカー”という雰囲気。ROBO-ONEロボットのようなRCサーボ音を発していて、RCサーボの性能を限界まで引き出している模様。レギュレーション把握ミスによる”想定外”があったとのことで決勝コースを完走できなかったが、このようなキットベースのロボットが健闘していると、新しく競技を始める人もモチベーションが上がると思う。

| | コメント (0)

台風との戦い。

今日は朝6時すぎに家を出発。通常なら電車&バスで新幹線駅まで移動するのだが、今日は風雨が激しく中間の徒歩移動でズブ濡れ必至なので、タクシー移動。台風の進路に真正面から逆行するようなルートゆえに列車の遅延や停車があるものと思っていたが、早朝の東北新幹線はダイヤどおりの運行。「流石にゆりかもめは止まっているだろう」とりんかい線で迂回してみたが、ゆりかもめも普通に走っていた‥。それでも足止めを受けずに順調に移動、目的のビルまであと15メートル!というところで強烈なビル風を受け、傘の骨が完全に破壊された。安いビニール傘を持ち出して正解‥ビルに駆け込んで戦いは終了。

台風などの外乱に関係なく、自分は開始時間が決まっているものに対して十分なゆとりを持って向かうタイプらしい。早く行ける状況で遅く出発してトラブルに遭遇し「もしかしたら間に合わないかもしれない」と慌てたりするのが好きではないし、出発前と到着後で同じようにノンビリするなら後者を選ぶ。仕事関係ならリスク管理のようなことになるが、今日の会合でも更に上手がいて、「前泊しよう」とH立市から特急”スーパーひたち”に乗ったらしい。そこまでやるかと思ったが、「途中で停車してしまい車中泊になってしまった」という可哀想なオチもついていた。愛知からの同業者は東海道新幹線が止まって完全にダメだろうと思っていたが、なんと9月から関連メンバーが揃ってお台場に”転勤”していた・・・頻繁な出張のコストも徹底削減、さすがの企業だが、自分が転勤当事者なら辛いかも。

帰宅すると、オリジナルマインドさんからの荷物の不在票と、定期購読しているトラ技とデザインウェーブがポストに入っていた。トラ技はハイパワー/高輝度LED、デザインウェーブはFPGA関連の特集。

t-suzukiさんのブログを見て、以前に俺サーボ化で取り外した PS-2173FETの基板はどうなっているのか?と思い確認してみた。制御チップらしきICは三菱マークに2461の文字、現在はルネサスのこのICであるらしい。基板パターンとピン説明も合っている。絶対定格は 9V、デッドタイムやストレッチャ(ゲイン)などは外付けの抵抗やコンデンサで調整する仕様。FETはルネサス製のHAT3006 (alldatasheetでもデータシート見つからず。廃品種? HAT3006Rで見つかりました) が2つ。RCサーボ派の最後の砦は”部品交換”(定数変更、FET/モータ換装)であるようだ。ルネサスのサイトを見るとディジタルサーボ用ICもあり、このICも何らかのRCサーボ製品に載っていると思われる。

| | コメント (2)

2007/09/06

台風直撃。

台風が真っ直ぐこちらに向かってきている。明日の朝あたりは大変な風雨かもしれないが、運悪く明日は朝から定例のお台場出張。無事にたどり着けるのだろうか、傘も無力化し濡れ鼠状態になるだろうか‥。自分の方はもちろん、愛知の方から来る方々も足が止まるかもしれないが、中止にはならなかった。限られた日程の中、通常はライバルであるT社やN社、その関連企業、MCRでもお世話になっている系の企業が集って皆であれこれ頑張っているが、時折ニセの怪電波を発するメディアが出て自分達に迷惑をかけてくれる、当然釣られてしまう読者も。

070906_pd_calc 先日のPD計算シートは独立ブックに変更して少し手入れ。目的の一つはアナログセンサなロボットの敵となる共振周波数の把握。左図は簡易的にそれを知るために、目標位置を変化させる角周波数を連続的に上げつつ、サーボ系をそれに追従させている構図。少しずつ位相が遅れ、振幅のピーク値が上がる。ピークが最大になるのが共振周波数、この点で位相が90度遅れる(元々の遅れと併せてこれ以上はPWM制御不能、下のPWM Duty値波形が矩形波に)。適当に入れたこの条件では10数ヘルツあたりに共振点があるようだ。共振周波数に近い基本波を有する立上り波形をいれたり、その辺でセンサがウロウロするソフトを書くと、センサがブルブル。図のやり方はマクロ不要の簡易的なもの、周波数毎にゲインと位相差を取っていけばよりまともなボード線図として表せる。最終的には伝達関数としてモデルを表現し、それを基に図を描く方法がいい。

昔に学校で習った制御工学、当時はなんとも味気なく好きになれない教科に思えたが、あのとき自律なロボットを作っていればもっと早く、即実践のような形でそれを利用できていたと思う。今はMATLABなど便利なツールもあるが、その土台部分の理解は実践を通して学生時代に進めたほうが後々有利になる。最近ではマイコンカーをやっている工業高校でも進学組の方が多いようだが、進学は工学的により進んだアプローチを実践を通して学べる貴重な機会であると思う。社会人になっても勉強に終わりはないが、学生という環境にはかなわない。横須賀でも工業高校OBの素晴らしい走りを見ることができたが、まだまだ大学生らしい形で伸びるなとも思った。

| | コメント (0)

2007/09/04

今日もExcel作業。

GRV@MCR で t-suzukiさんの最新走行動画を見た。ディジタルセンサ+RCサーボ+高校生指定モータの構成のロボットでは最速クラスの走りに見える。特に注目したのが、最近よく見かけるタコの頭のようなカーブ区間での走り。直線から高速で突っ込み、大きく舵を切ってカーブ外周方向へ進み、そのまましばらくカーブのアウト側をセンサ中央がセンターラインから外れた状態のまま旋回している。
070903_tako 先日までに作った走行軌跡計算ブックに、同じタコカーブの状況を追加してみた。ややアンダーステア気味でもこの程度、かなりのアンダーステアでもこんな感じ。070903_tako.wmv
アナログセンサはセンサ中央部がライン中央に拘束するのが基本、センサと操舵が直結の構成では t-suzukiさんのロボットと同じような軌跡で走れない。車線変更での動きを含め、ライン取りの自由度やしぶとさのようなものを見出すことができた。


070903_pd_gain
ブックに操舵サーボ系PDゲイン計算のシートも追加中。DCモータの特性/使用条件、負荷の慣性モーメント、フィードバック系の構成、制御周期などを設定し、指定のPDゲインにおける目標角度へのステップ応答をグラフ表示するもの。ポテンショメータ出力電圧値の A/Dコンバータによるサンプリング&量子化、整数によるPD演算と PWM Dutyの決定を模擬している。制御周期(偏差を取りPD演算をしてPWM出力を更新する周期)、A/D精度とゲインパラメータの関連、構成に合った制御周期の重要性がすぐに分かる。
課題は慣性モーメントの計算精度。現状ではセンサ基板、センサアーム、最終減速段のギア2枚、ギヤヘッド、そしてサーボモータの構成を入力できるが、タイヤやそれを支持したり駆動したりする部品の計算がまだ入っていない。実機のステップ応答との合わせ込みも必要。うまくできれば、SSM制御におけるアーム追従遅れ、クランクや車線変更などの短時間で大きく舵を切る状況におけるロボットの反応遅れなどの解析にもつながる。

| | コメント (0)

2007/09/03

微速前進。

オリジナルマインド さんに真鍮ギア、ベアリング、セットピースを発注した。電子部品の類は在庫数が多く種類も幅広く、「あと十年は戦える。フフフッ」状態(やや誇大)だが、機構系の在庫はムラが激しい。ロボットランサーなど位置決めサーボが複数必要な競技に対応できるシステム基板も検討開始。ロボット製作の度に違う回路構成を考えるのもいい加減どうかと思うが、いつも興味のある方向、試してみたい方向に流れてしまう‥個人活動ならではの楽しみでもあるが、今回も案が幾つも沸いてきてなかなか収束しない。サーボ系で成立が微妙な案もあるため、以前のように試作も含めて検討したい。

職場では、個人試作のようなことをしている人が自分のところにやってきた。商品ではないからと趣味のロボットでも作るかのように怪しげなプログラムを拡張していることは知っていたが、ついに全体の動きが完全かどうか自信がなくなるまで中身がゴチャゴチャになってしまったらしい。「思い付きのフラグや条件文をソースコード全体に撒くと‥」「読み難いプログラム、怪しい構文を書くと・・」とは以前にも書いた気がするので、今回はこの領域で役に立つ資料を2つ紹介。

話題沸騰ポット要求仕様書
 個人製作のロボットで完全な要求仕様書を書く人は居ないと思われるが、仕様を人に正しく伝える方法、制御を思い付きのフラグの”集団”ではなく”状態”で管理する上での基本が良く分かる仕様書になっている。

コーディング作法ガイド V1.0
「ソフトウェアの品質特性」など学校では教えてくれない要素の一覧、想定外の動作を避けるための規約(禁じ手)、保守性を高めるための書き方などが詰まったガイドライン。MISRA-Cのように英文を読む必要もない。

| | コメント (0)

2007/09/02

擬似アッカーマン計算ブックを更新。

Ack_link_excel_1成果物サイトに置いている擬似アッカーマンなリンク機構を作るための計算ブックを更新した。今回の更新分は、パラメータの追加と無駄だらけの計算式の見直し(ブック再作成)。新パラメータは左図で CPofs と書いている、中央の回転部品(=最終段ギヤ) とナックル回転中心の前後オフセット量。 junさんのロボトレーサやマイコンカーにはこのオフセットがあり、直進時に左図のようにリンクCが横一直線に近くなっている。今回の変更で、同様の構成もブック上で表現できるようになった。



070902_curve_slip 先日の前後輪のすべり角を想定した走行軌跡計算ブックも、新たに連続左右カーブの状況を追加した。舵角が変動するため、すべり量も固定から舵角比例型に変更。左図の設定は、ピボット部と車体後中央がカーブの頂点でセンターラインの内側10mmを通る条件で前後輪のすべり率(前後同じ値)を求め、その際の軌跡を描いたもの。その際の舵角の変化(正値が左) もグラフ表示している。改良すれば、実ロボットの走行軌跡/舵角の変化と重なる前後のすべり率を求めることでロボットのOS/US特性を把握したり、舵角の変化カーブから操舵系に必要な特性を把握したりも出来そうだ。「とにかく試行錯誤で製作・調整する」というアプローチであればこういうものは不要だが、自分には真似が出来ない。少しでも定量的、効率的に現実の動きを予測・把握できるようにすることが、自分には必要だ。事前に動きを予測し、それに基づいてロジックを構築、パラメータを計算し、ロボットを走らせ、結果を予測モデルに反映。このループの精度が上がるように努めたい。

Wave2

| | コメント (2)

2007/08/29

マイコンカー用センサの新顔を追う。

先日撮りためた横須賀大会の動画、決勝トーナメントに加えて一般の部・予選の動画と、大会前日の試走を収めた動画の編集と t-suzukiさん提供スペースへのアップロードが終わった。残すは車庫入れ競技のみ。

編集の過程で各参加者のマイコンカーロボットの走りをじっくり見ているが、改めてこの競技のレベルが上がっているなと感じさせられる。自分の場合、ハードウェアの欠陥、不具合、設計ミス、精度不足、剛性不足・・・で高速走行云々以前のレベルに留まっているが、競技の経験を重ねて競技用として優れたハードウェアの製作に成功している上位レベルの競技者ほど、力を入れる対象が制御領域に移っている。この領域に入ると、走行ログの記録と分析の意味も高まるし、今や誰もがそれを活用してハードウェアの限界により近い制御ができるように努力している状況が伺える。
これが全国大会への出場権を掴むトップレベルの競技者となると、「他の参加者から一歩抜け出る」ための強力な”武器”を手にしていることが多いのではないだろうか。今回の大会でいえば、とくながさんが”π型センサ”(勝手に命名)、junさんが"ジャイロセンサ"である。二方とも、ベスト4進出のインタビューの際にこの"武器"について触れ、自身のロボットをアピールしていた。

マイコンカー競技の制御関連デバイスの場合、”頭脳”の強化、つまりマイコンの処理能力アップ云々、それによる制御周期の短縮云々という話はメインとならず、指定マイコンボードをメインに使うというのが”正道”だと思う。故に、自ずと”入力”と”出力”に目が向く。マイコンカー競技の過去を振り返れば”出力”の方が展開が早く、マクソンモータのような高性能モータがロボットに導入するケースが拡大し、多くのロボットの性能限界を引き上げることに貢献している。”入力”の方はどうだろうか。「エンコーダが広まった」「まだまだディジタルセンサが多い」「滝田先生の論文に端を発するアナログセンサが徐々に勢力を拡大」という大きな動きがあり、最近では”カーブ検出センサ” ”坂道センサ”も広がりを見せている。大会を通じて”入力”の候補として次に何があるか?と探している人と、現状維持に走る人のどちらも居ると感じたが、現状維持では埋没してしまいかねないほど、マイコンカーの競技レベル進化は早い。トップレベルを目指すなら、トップレベルの競技者が採用している”入力”は確認し、本質を見極めなければならないだろう。

先ずはとくながさんの”π型センサ”(勝ry)、役割はJMCRサイトの参加者レポートに載っている通り US/OSの判別とその程度の把握。これをうまく使えば後輪駆動ロボットでもマイコンカーの姿勢と走行ラインの安定化を図れることが今大会でも実証されている。このレポート内容を机上計算で確認することから出発。

Circle1 Excel で基本計算から実施、左の画像のような定常円を想定したシートを作成した。今回の確認には関係ないパラメータも多いので、関連パラメータのみ説明。

Curve_R: センターライン基準の半径[m]
Wheelbase: ホイールベース[m]
ArmLength: センサアーム長[m]
SlipFront: 前輪側すべり角係数
SlipRear: 後輪側すべり角係数
δStatic: 指定条件において静的に円を回る舵角[°]
PsensOfs: "位置センサ"のラインセンサに対する前後オフセット[m]
Offset_H: センターライン中央に対する、位置センサのズレ量[mm]

図はR450コースの定常円、ホイールベース 180mm、アーム長 245mm、すべりゼロの想定。すべりゼロということで、極低速で定常円を回る状況に相当する。後輪内側が最も内側を回り、スタンダードなマイコンカーなら後輪内側がコース内部にはみ出して走るような状態。これで位置センサのズレ量は 6.4mm、定常舵角は 19.18°。

Circle2 ここで前輪側のすべりだけを増し、アンダーステア状態に設定。とくながさんのレポートどおり、位置センサのズレ量が減少し、4.651mmに。アンダーステアでも定常円を回るために、自ずと舵角が増え、24.722°になっている。




Circle3今度は後輪側のすべりだけを増し、オーバーステア状態に設定。レポートの内容どおり、オーバーステアは舵角の減少という形で確認できる。






Circle4 Circle5 現実の走行では、前後のどちらもすべりゼロにはならない。速く走るほど、カーブがきついほどすべり角は増す。計算上では、ほぼニュートラルステアに近い(=前後のすべり角が等しい)特性のロボットを作ると、左図のようにR450でもR600でもラインセンサ、ピボット中点、後ろ車軸中点がセンターライン上に乗る(高速走行ゆえに大きなすべりがあっても旋回を継続できる)。最近ブームになっているホイールベースの1.5倍近い長さのセンサアームを持つ変化版SSM、有効に機能する理屈がここにあると分かる。

位置センサと舵角と車速の関係を利用して、どのような状況でもオーバーステア、アンダーステアに陥らずに安定した走行軌道を描くことができれば、速く安定する・・・とくながさんロボットは本番で一度もコースアウトしていない。”π型センサ”も含めたセンシング量とモータ制御がうまく結び付いている証拠、素晴らしいの一言。”π型センサ”は”ライントレース競技”という競技の基本前提をうまく利用し、かつ適切な効果も出せるとても良いアイデアだと思う。「本当に知りたい情報は何か?」と「どうやってそれを簡易確実に手に入れるか?」がうまく結び付いている。個人的には更に踏み込んで解析したい。

次に junさんの”ジャイロセンサ”、こちらは実際の自動車にも使われているデバイスであり、junさんはベスト4インタビューの場でもその基本的な利用方法を解説されていた。これも録画していたつもりだったが、録画ボタンを”ダブルクリック”して止まったままカメラを向けていたことに気付いたのは帰宅後・・・。同様の解説を行ってみる。

上と同様、R450の定常円旋回を想定してほしい。クルマが円を旋回するとき、クルマは円の中点を”公転”しているだけではなく、向きを徐々に変えることで”自転”もしていて、1周すれば1回の”自転”。この”自転”の速度を測るのがヨー軸角速度センサ(ジャイロセンサ)と呼ばれるデバイスである。

R450の定常円を回るとき、中央ラインに乗って走ると想定すれば 1周の長さは 2*π*0.6[m] ≒ 3.77[m]  になる。このラインを  3.5[m/s] のスピードで走れば、約1.077[s] で1周できる。ここで”自転”は1周で1回、つまり360度だから、1秒あたりの回転速度は約 334.23  度になる。この秒あたりの自転速度がヨー軸の角速度であり、ジャイロを使って得られる物理量。

このセンサをどう使うかも、”自転”に関連している。アンダーステアとは”自転”が必要より遅い状態、オーバーステアとは”自転”が必要より速い状態。必要な”自転”の速さは、舵角と走行スピードから求められる。junさんの説明は「舵角から幾何学的な走行カーブの半径を求め、それを走行スピードと共に(上のような計算で)角速度に変換し、ジャイロの出力と比較すれば、アンダーステアかオーバーステアかが分かる」というもの。さらに「アンダーステアならば後内輪にブレーキ、オーバーステアなら前外輪にブレーキ(junさんロボットはカウンターステアも可能) という対応を取ることで、アンダーステアやオーバーステアによる”自転”の乱れを抑える、つまり安定したカーブ走行軌跡を維持することができる。」というような説明も付く。基本的な理屈は難しくないのだが、ライントレース競技という前提に頼らずに角速度センサというデバイスに依存するという本質があり、かつ、このセンサの出力特性を理解して使いこなすだけの知識とノウハウが必要とあって一筋縄ではいかない。junさんの使っているセンサはかなり使うのが難しい製品のはずだが、カーブ走行は動画を見ても一番速いレベル、流石です。

どちらのセンサも上位視点でみれば”走行軌跡の安定化”であり、マイコンカー競技者として「これだ!」という走行ライン、走行挙動を如何にして安定に実現するかの手段として使っていることが分かる。すぐに追随するという手もあるが、”抽象思考”を大切にし、「本質は○○だ」「何かもっとうまい手は無いか?」と考えることも、他の競技者から一歩抜け出るためには大事かもしれない。

・・・自分は先ず、基本ハードウェアの確立。出来の悪いハードウェアでは、高度な制御は有効に機能しない。高度な制御を実現できなければ、高価な”制御用モータ”もただの高出力モータ。早く制御領域に集中できるようになりたい。

| | コメント (3)

2007/08/27

横須賀大会に出向いた方にご連絡です。

先日はメールベースでの情報展開を考えていましたが、横須賀大会の競技参加者や見学者に限定した情報展開を円滑に行うため、以下のGoogleグループを作成しました。

JMCR2008横須賀参加者

このGoogleグループの役割は

  • SNSの要領で大会参加者を招待
  • グループ内のページで情報公開先を通知
  • その他、参加者同士の情報交換

としています。宜しければ上記リンクから参加手続きをお願いします。
※重要:地区大会のコース構成が分かる情報の公衆送信を自粛するよう要請されているため、このような対応を取っています。個人的には不本意ではありますが、決まりごとということでご了承ください。

自分の方は現在、マイコンカー競技 決勝トーナメントの動画を準備中です。

GRV@MCRの t-suzukiさんに協力いただき、共有ディスクスペースもできました。ありがとうございます。

※変なメモを渡した方、もしかしたらメモはもう要らないかもしれません。
 参加を宜しくお願いしますm(_ _)m

| | コメント (0)

横須賀大会の撮影動画リスト。

JMCR公式サイトにもう横須賀の結果表が載っていた‥さすが仕事が早い。
自分はというと、先ず大会当日に撮ったマイコンカー競技一般の部と車庫入れ競技の動画整理を行った。DMX-HD1 で撮影した 2GBのSDカード2枚分の動画ファイル(MPEG4) をデスクトップPCに転送し、誰を追い回した動画か分かるように以下のようなルールで連番なファイル名を変更。

  • 一般の部・予選/車庫入れ競技のファイル名:
    #<ゼッケン番号>_<競技者名>_<カーネーム>.mp4
  • 一般の部・決勝のファイル名:
    #<撮影ゼッケン番号>_<競技者名>_<カーネーム>_<相手ゼッケン番号>.mp4
  • 2回目の走行は _2 を追加

動画のリストは このテキストファイルです。

失敗動画を除いたファイルサイズは 3.51GB、会場では番土先生と阿佐美先生に大会日に撮った全動画ファイルをSDカード経由で渡すことができたが、ココログに全てそのまま置くことはできないし、編集でカットできる部分もある。編集・圧縮してロボットランサー動画と同等にすればサイズは半分以下になるので、ここから実行。

| | コメント (9)

2007/08/26

横須賀大会終了。

夏の終わりのロボットイベント、JMCR2008横須賀大会が終了。全国からレベルの高い方々が集い、まさに第二の全国大会のような人の数と熱気の中で進行。競技参加者の皆さん、引率の先生方&保護者の皆さん、大会関係者の皆さん、お疲れさまでした。

横須賀試走日の”技術交流会”、今年は30人規模の集まりでした。「ロボットさん」 (誰かがパッと見でナゾの団体に括りを与えたらしい) の御一行として部屋に案内され、昨年同様に食事&飲み&自己紹介&歓談の展開に。集まりの名目に相応しい少し濃い目の話題、上位者への質問、神様のお告げも飛び出し、「やっぱり来て良かった」というひとときに。
二次会も急遽開催。昨年はTMCC会長様とMMC07さんとの3者ホテル部屋呑みだったが、今年はNAKAOKAさん、あざ~ずレーシングの3名様も加わっての居酒屋呑みに。自分以外は全員が工業高校の先生という場で、車輪駆動関連ネタから、学校毎の"開発体制"の違いや裏動向(?)まで垣間見える展開に。

翌日の大会本番、大会結果の詳細はJMCRサイトの公式発表に任せるものとして、マイコンカー競技は徳永さんが一度もコースアウトせずに好タイムを連発しての優勝、全国大会出場枠の獲得者は、徳永さん、河野さん、井上さん(福岡工業高校)、黒川さんの4名に。新・車庫入れ競技の結果は、昨日の試走でも高速走行を実現していた藤坂さんが優勝。
マイコンカー競技上位の方々の走りは前日の試走からカメラで追っていましたが、それを夜間にプチ整理しているだけでつい「おおっ!?」と見入ってしまう所が多々あり、気付けば夜2時半・・・夜更かしのツケは帰途に出ました。普通に見ると速すぎて何が起きているのか良く分からないが、60fps撮影した映像をスロー再生すると色々と見えてきて面白いのです。

試走日と大会当日を通し、会場でよく見に行くブログ&日記な方々にもお会いすることが出来ました。

■ はじめまして、の方々
とくながさんt-suzuki さんTAROさんHMさんふじそんさん

■ お久しぶりです、の方々
junさんTMCC会長さんTusbameさんヒライ兄弟さんMMC07さんKuroさんSTRVさん

後日&順次となりますが、会場で撮った動画について、会場で謎メモを渡した方&私がメールアドレスを把握できている横須賀参加者の方だけが見られるような形で、此処にアップロードしていく予定です。いきなり謎メールが届くかもしれませんが、ご容赦を。(妙な業者と勘違いされないようにせねば)

| | コメント (0)

2007/08/25

これから技術交流会。

JMCR2008横須賀の試走日が終了し、ホテル横須賀へ移動。19時から技術交流会、ホテルニュー横須賀の近くらしい。一休みして、TMCC会長様、NAKAOKA Familyの中岡さんと一緒にタクシーで会場のお店に移動する。今年は昨年よりも人数も多く、ロボット談義もより盛り上がりそうだ。

試走のトップタイムは遠く九州から参加した Tさんの後輪駆動ロボットが僅差でゲット、素晴らしいタイム。後輪駆動&軽量のメリットを活かせば四駆でなくともマイコンカーの第一線に立てることが実証された。隠れ後輪駆動フアンとしては喜ばしい結果。

車庫入れ競技のコースでは、開発の日々を日記に綴っていた Fさんが勢い良く走っていた。
S1

| | コメント (0)

«もっと早く横須賀へ。