12月の第二金曜日は会社の冬ボーナス日、所謂サラリーマンの身としては嬉しい日。自分の場合、ボーナスの一部を"自己投資予算"として額を決めて切り出し、そこから必要な書籍や物品を買うことにしている。ロボット製作活動も自己投資の一環と位置付けているため、ボーナスの額は活動に影響するし、額が少なければより優先度が高い支出にしか回せなくなる。ボーナス額は基本的に会社の業績連動制、自分が頑張れば大幅に額が増えたりすることもないし、自分だけでこの先の業績がどうなるかは分からない。しかし業績は買い手が存在してこそ生じるもの、技術職として目の前の技術課題だけに集中・没頭するような人間にならず、買い手にとってのメリットは何か、喜びは何か、ということを常に意識する人間でありたいと思う。
ボーナス日には全員に”賞与”通知が手渡されるが、今回はもう一つ”チャレンジ加算”という通知も手渡された。こちらの通知には細々とした金額の記載はなく、以下のような文章が主体となっている。
貴方は日頃より自ら高い目標を掲げ、その達成に向けて積極果敢に取り組まれました。他の模範となる行動を称えるとともに、心から感謝します。
(社名)は、一人ひとりが自ら「夢」を持ち、その実現に向けてチャレンジし続けることで、時代に先駆け、お客様や社会に喜ばれる新しい価値を創造し、多くの人々の共感と信頼を生み出してきました。
失敗を恐れず、自らの無限の可能性を追求し、困難な課題・目標に対して主体的に取り組まれた貴方の行動・情熱は、(社名)のDNAである「チャレンジ精神」をいかんなく発揮したものであり、ここに「チャレンジ加算」を支給します。
一人ひとりが大きな「夢」を描き、その実現に向けて取り組んでいく、(社名)はそんな企業であり続けたいと考えます。これからも、自らの「夢」・「想い」の実現に向け、志を高く、一層高い目標を掲げてチャレンジし続け、更なる自己成長を遂げられるよう期待します。
頑張れば誰でももらえるものでもなく、自分もまだ二回目。今回も「何故自分なのか?」という感じで、本業の範囲だけで考えると、自分よりも大きな目標から大きな成果を出している方は多い。頭の中に疑問符が並び、基準がよく分からないなという想いが巡ったが、"自己投資"関連まで評価に含まれると考えると、「もしかしたら一度はもらえるかな」と思えてきた。自分は非管理職の中ではまだ”能力開発中”の段階にあり、業務外でどのように能力開発を進めていくか、実際何をしたか、成果はどうだったか、ということを主張する機会と道具が与えられている。これに対してロボット活動などを含めて技術レポートを通して主張してきたことに、一定の評価が得られたのかもしれない。今回はそう捉えて素直に喜びたい。金額的には大きくはないが、来年の横須賀大会への参加費用としては十分な額、ここに投入したい。
・失敗を恐れない
・困難な課題・目標に対して主体的に取り組む
というチャレンジ精神は、これまでのロボット活動でも大切にしてきたし、今後の活動でも継続していきたい。「失敗を恐れない」は「技術的に明らかに成立しないことをとりあえず実践する」ではないし、正しいと考える根拠、成功につながる解決策を伴わなくてはいけないが、目標や課題を据えた上で根拠や新しい解決策を考えること、それを主体的に実践することが面白さであり、全体のプロセスを含めて、自分にとって後々役に立つ勉強になると思っている。
JMCR関連では客観的に振り返ると、センサに関するチャレンジが多かったのかな、と思う。ドラッグカーの固定アナログセンサも、普通に考えると操舵に対して車体のヨー位相は必ず遅れるため、車体側にセンサを固定することは位相遅れ180度以上の発振、つまり蛇行の原因となりやすいことは分かりきっているが、自分としては「発振はOK、しかしその振幅は小さく、周期は長く、結果として見た目にはほとんど直線走行」というコンセプトを掲げ、静的な直進性が良く、僅かな修正だけで走行を継続できるロボットを目指した。振幅の最小化につながる微修正の実現が不十分なことで性能が限定されたが、チャレンジとしては面白かった。ライントレース用のセンサも、ディジタルセンサ/アナログセンサの一般的な形態を探った後、別の発展形を探してきた。30fps程度のカメラ式は明らかに高速走行の制約があるため検討外、高速性は必須、ということでリニアイメージセンサに辿り着いたりしたが、ディジタルセンサ/アナログセンサにも組み合わせやレイアウト面でまだまだ発展形があると考えている。先読みセンサはまだ未知の領域だが、競技の高速化を考えると今後はかなり重要な要素になると思われる。
ライントレース用センサの発展形を考えるようになったきっかけは、アナログセンサの設計パラメータを最適化しようとタグチメソッドの勉強をしていた際、”設計の3段階”に出会ったこと。タグチメソッドでは設計段階が
1.システム選択
2.パラメータ設計
3.許容差設計
の3段階で分類されている。自分の当初の目的は、自分のアナログセンサをよりロバストなものにすべく 2と3 を理解し実践するというものであったが、結果的に得られたロバスト性や技術的メリットは、当初より明らかに改善・向上できたものの、根本的には満足できない内容だった。結果として、センサに限らず先ずは本質を大きく左右する1に取り組み、それについて2と3 を適用しよう、という方向になった。この分類がきわめて利用価値が高く斬新なものとしてページを割いている 本 を少し引用すると
・個々の目的機能を達成するための物理的メカニズムが基本機能
・基本機能としてどのようなシステムを採用するか(を決めること)がシステム選択
がシステム選択の概要であり、マイコンカーなどのロボットはシステム選択の結果の集合体になるが、この辺りの考え方が「先ずは全体を追わずに基本機能から固めていこう」という先日のブログでも書いた決意につながっている。個別の基本機能、基本設計が正しく実現できていれば、その上に乗せる全体の制御もより良く実現できるし、この実現が自分の考えるマイコンカー将来像の成立・実現につながる。千里の回り道も一歩から、ということで、毎日こつこつ頑張っていこう。
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