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2006/12/31

年の瀬。

年の瀬も押し詰まり、2006年も今日で最後。今年の表向きのロボット活動は横須賀大会への参加のみとなり、完走を果たすことも出来なかったけれども、この大会に出向いたことで得られた新たな出会い・新たな刺激は自分にとって大きな収穫となり、今後も時間を割いてロボット活動を継続するだけの意味・価値を与えてくれたと思う。

企業などの組織に身を置くと、必然的に、何らかの分野に関する知識・技術を深めることが求められる。入りたての若いうちは専門的な領域が主となり、人に言わせると

「井の中の蛙、大海を知らず。しかし井の深みを知る。」

という環境の中で活動することになる。しかし井の中から上がって他の蛙をまとめるためには他の井の基本知識も必要となり、立場が上がるほど全体をまとめ上げて率いるための技術が必要となる。この”要求される技術の広がり・変化に対応できる人”につながるキーワードとして『T型人材』『π型人材』という言葉があるが、ロボットという複数技術の集合体を製作し、大会に参加して他の参加者と交流するということは、まさにこのような人材を目指すための勉強・トレーニングにつながると思う。もちろん取り組みのアプローチによっては”井の深み”指向にもなるけれども、それだけでは勿体無いのがロボットという題材ではないだろうか。この想いを長期的な視点として持ち続けたい。

「結果が全てではないが、やるべきことをきっちりやれば、ついてくるものだと思う。」

というjunさんの言葉、実績があるだけ、頑張りが見えるだけに重みがあります。自分のやるべきことの根幹も、完走すること、設計性能を出すこと。結果とは、これらを果たした成果が他の人と比べてどうだったかを示すだけのもの、しかし人よりも高い設計性能を実現することは、並大抵の努力では実現しない。これを実践している人たちの背中が見えるように、地道に頑張りたい。

それでは皆様、良いお年を。

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2006/12/30

高専ロボコン。

NHKの高専ロボコン全国大会を見た。高専出身者としては、懐かしい。

今年のテーマは「ふるさと自慢特急便」ということで、各校それぞれの所在県の名物・名産を「ふるさとオブジェ」としてロボット上のお盆に載せ、それを落とさないように堀を超え、シーソーを超えて、連続ポールをS字に抜けて、最後に縄跳び3回してからオブジェをゴール台に載せるまでの時間を競う内容。どうやってオブジェを落とさないように運ぶか、縄跳びをするかというところが、今回の主要な技術課題であったようだ。アイデア対決を謳うだけあって、お題目は同じなのによくもこれだけ別の実現方法が出てくるものだ、と今年も感心しきり。

オブジェ運搬は大きく分けて「蕎麦屋の出前式」「自動水平台式」の2パターンがあったが、機構としての実現方法が皆違っていた。前者は単純なブランコ式からリンクやレールを使った複雑なものまであり、後者は前者のそれに Gセンサを用いた傾き検知などで能動的に制御を入れた感じ。オブジェの形状が学校によって全部違っているため、その重心位置もバラバラだと思う。重心が高いと傾いて落ちやすいため、意図的に平らなものを選んだ学校もあるに違いない・・

縄跳びは大きく分けて「人間的回転縄跳び」「前後往復縄跳び」「とにかく縄跳び(?)」の3パターンがあり、更に、許されている”縄跳び専用ロボット”を用いるチームと用いないチームがあった。人間的なものは1回ずつ手堅く飛ぶものから3重飛び、4重飛びを行うものまであり、アクチュエータも空気式・ばね式・ゴム式と様々。地区大会では2メートルも跳ぶチームが居たらしいが、衝撃で自己破壊してしまうロボットは勝ち残れないのがロボコンの常・・全国大会でも小山高専が。「とにかく」なところは、自動ロボットが地面で縄を1点中心からラジアル方向にピンと張って回し、手動ロボットがそれを跳ぶ構図。縄跳びというからには跳び手と縄が離れていてはどうも・・と思ったが、それぞれ別々に動いていることが最後の最後で裏目に出た感じ。自立型ではないロボット競技は、操縦者の焦りでも負けてしまうのが怖い。

結果として、香川県勢の詫間電波が優勝。庵治石は負けてしまい、高専ロボコンまで三豊市パワーか・・と思ったが、詫間電波のロボットがアイデア・技術の出来が一番良かったのは間違いなく、ロボコン大賞もあわせてゲット。無駄の無い動き、良く練られた機能分割も良かったが、一番感心したのは彼らのロボットの操縦インターフェイス。コントローラの左右とロボットの左右にあるセンサが、左右それぞれ一定距離になるようにロボットの走行制御をかけていた。結果として、人がショッピングカートを手で動かすことと全く同じ要領で、自由かつ正確にロボットを動かすことが出来ていて、好タイムに直結している要素となっていた。個人的にはこれだけでロボコン大賞モノ、優れたアイデア。

同じ高専モノでも、今年のプログラミングコンテストの競技部門は意外にも相手との駆け引きと肉体運動を伴うものだった。高専ロボコンでも従来は駆け引きがあるものも多かったが、アイデアや技術の主眼が”相手の妨害”に向くケースもあって、参加当事者の非妨害アイデアが報われない感じ、見ていてもどこか面白くない側面がある、という印象があった。賛否両論があるのだろうが、個人的には高専ロボコンは今回のような形式の方が好み。相手の裏を取るようなアイデアや駆け引きは、やはり相撲ロボットやROBO-ONEのような実在の格闘技に通じるロボット競技の方が純粋に楽しめる。

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2006/12/29

大掃除。

今日から、1月7日までの正月連休に入った。昨日は会社で大掃除を行ったが、今日は自宅の大掃除。普段から部屋を散らかさないようにしているので、カーテンなど普段洗わないものを洗う、普段拭かないところを拭くといった作業が主で、それほど時間はかからなかった。

その後は電子部品の棚卸しと整理。Excelで管理している在庫部品表と実際の収納を、現状に合わせて再分類して整理しなおした。この一年で抵抗、コンデンサ等の受動部品を含めて面実装部品の在庫が増えたが、来年はこれらを今まで以上に積極活用していく方向。そのために必要なプリント基板についても、以前から基板設計関連の本を買って読んだり、このようなサイト(とても充実した内容です) に目を通したりして勉強しているが、部品レイアウト/配線に関しては「回路CADの機能を積極利用すれば楽!」のようなアプローチでは質的に具合が悪く、手を抜かずに自分で良く考えて配置/配線を行う必要があるな、と考えるようになった。また他の方のブログを読んでいると、この時期にコースの帯電によるESDで苦しんでいる話が複数あり、走行時のESDに関して対策を施すことは必須であるという認識が生まれた。回路による対策など後の修正が難しいところもあるため、設計の前提条件として考慮していくようにしたい。

また今日は、Digi-Keyからの部品の受取日でもあった。電流センス回路やアナログ出力センサ類のインピーダンス変換に使うオペアンプ、マイコン間通信用のIC、電源IC、PSoC等の1チップマイコン、FET、ゲートドライブ用ICなどを購入している。実使用のための面実装部品が主であるが、基本特性評価のためのDIP部品も一部あり、最初に作る試作モノにはこちらを使う予定。コネクタ&ピン、予備バッテリー、OSコンなどの細々とした部品も、年末の東京出張を利用しての秋葉原巡りで買い集めており、電子部品の在庫に関しては来年の準備は整った。あとは実践あるのみ。

#このブログへのリンクを設定されている TMCC会長様、t-suzukiさんのブログへ新たにリンクを張りました。相互リンクです。二方とも自分の好きな後輪駆動のロボットですが、全国大会出場権の獲得後もドンドン進化して速くなっているようです。残された練習走行の機会は少ないようですが、来年の全国大会、頑張ってください。ブログでの参加報告を楽しみにしています。

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2006/12/17

ロボット製作とマネージメント。

戦歴1年半で勝率9割「マルファミリー」の秘密を探る
という記事を、fuRoのブログで見つけた。親子で ROBO-ONEに参加している方へのインタビュー記事で、全体としてもとても良い内容だが、記事中の 『勝てる人と勝てない人の差は「マネージメント」にある』 という箇所が記憶に残った。一部を引用・要約すると

技術力とかモチベーションがどうのこうのではなくて、それ以前のマネージメントが違うんじゃないかと思う。

例えば、高価なサーボを沢山使ったロボットを持っていても、予備バッテリの数が少なく、バッテリ切れで負けている。優勝するなんて思わなかったと言うが、予備バッテリを持ってないと、思う思わない以前に物理的にできない。予備パーツにしても同じ。

勝負で負けるのはいいが、マシントラブルで負けるのはエンジニアとして恥ずかしい。マシントラブルの原因は自分、相手に負ける前に、自分にすでに負けている。

という内容。これまでの自分のロボット活動を考えるとグサリと来る内容だ。バッテリーに関しては予備パックを複数作り、充電器と鉛バッテリと一緒に持っていったり (荷物がかなり重くなる、充電不可の会場もあり)  しているが、予備パーツについては余計なパーツは多くても肝心なパーツが無かったりするし、いつも何らかのマシントラブルを抱えている。一言でいえば思慮不足であり、マネージメント要素であるスケジュール管理がまずくて時間的に追い込まれていることが背景にありそうだ。個人活動とはいえ、費用が発生している以上はもっとマネージメント面も考えなくてはいけない。

年明けのマイコンカー全国大会でも、バッテリのマネージメントが勝敗を分ける一要素になると思われる。大会会場での商用電源を用いた充電が禁止ということは、充電済のバッテリパックを複数持ち込むか、鉛バッテリなど充電用電源も持ち込むしかない。ニッケル水素電池は容量は大きいが、低温に弱く、自己放電が大きい製品が多く、パック使用時の出力バラつきが大きくなりがち。NiCd電池は低温に強く、自己放電もニッケル水素電池より小さいが、容量が小さくて連続走行ではタイムがすぐに落ちてくる。容量の大小は正しい放充電に要する時間の大小でもある。それぞれの弱点をカバーできる充電体制、測定体制、交換対策を事前に整えておく必要があるが、毎年勝っているところはこの辺も抜かりないようだ。

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2006/12/09

ボーナス。

12月の第二金曜日は会社の冬ボーナス日、所謂サラリーマンの身としては嬉しい日。自分の場合、ボーナスの一部を"自己投資予算"として額を決めて切り出し、そこから必要な書籍や物品を買うことにしている。ロボット製作活動も自己投資の一環と位置付けているため、ボーナスの額は活動に影響するし、額が少なければより優先度が高い支出にしか回せなくなる。ボーナス額は基本的に会社の業績連動制、自分が頑張れば大幅に額が増えたりすることもないし、自分だけでこの先の業績がどうなるかは分からない。しかし業績は買い手が存在してこそ生じるもの、技術職として目の前の技術課題だけに集中・没頭するような人間にならず、買い手にとってのメリットは何か、喜びは何か、ということを常に意識する人間でありたいと思う。

ボーナス日には全員に”賞与”通知が手渡されるが、今回はもう一つ”チャレンジ加算”という通知も手渡された。こちらの通知には細々とした金額の記載はなく、以下のような文章が主体となっている。

 貴方は日頃より自ら高い目標を掲げ、その達成に向けて積極果敢に取り組まれました。他の模範となる行動を称えるとともに、心から感謝します。

 (社名)は、一人ひとりが自ら「夢」を持ち、その実現に向けてチャレンジし続けることで、時代に先駆け、お客様や社会に喜ばれる新しい価値を創造し、多くの人々の共感と信頼を生み出してきました。

 失敗を恐れず、自らの無限の可能性を追求し、困難な課題・目標に対して主体的に取り組まれた貴方の行動・情熱は、(社名)のDNAである「チャレンジ精神」をいかんなく発揮したものであり、ここに「チャレンジ加算」を支給します。

 一人ひとりが大きな「夢」を描き、その実現に向けて取り組んでいく、(社名)はそんな企業であり続けたいと考えます。これからも、自らの「夢」・「想い」の実現に向け、志を高く、一層高い目標を掲げてチャレンジし続け、更なる自己成長を遂げられるよう期待します。

頑張れば誰でももらえるものでもなく、自分もまだ二回目。今回も「何故自分なのか?」という感じで、本業の範囲だけで考えると、自分よりも大きな目標から大きな成果を出している方は多い。頭の中に疑問符が並び、基準がよく分からないなという想いが巡ったが、"自己投資"関連まで評価に含まれると考えると、「もしかしたら一度はもらえるかな」と思えてきた。自分は非管理職の中ではまだ”能力開発中”の段階にあり、業務外でどのように能力開発を進めていくか、実際何をしたか、成果はどうだったか、ということを主張する機会と道具が与えられている。これに対してロボット活動などを含めて技術レポートを通して主張してきたことに、一定の評価が得られたのかもしれない。今回はそう捉えて素直に喜びたい。金額的には大きくはないが、来年の横須賀大会への参加費用としては十分な額、ここに投入したい。

・失敗を恐れない
・困難な課題・目標に対して主体的に取り組む

というチャレンジ精神は、これまでのロボット活動でも大切にしてきたし、今後の活動でも継続していきたい。「失敗を恐れない」は「技術的に明らかに成立しないことをとりあえず実践する」ではないし、正しいと考える根拠、成功につながる解決策を伴わなくてはいけないが、目標や課題を据えた上で根拠や新しい解決策を考えること、それを主体的に実践することが面白さであり、全体のプロセスを含めて、自分にとって後々役に立つ勉強になると思っている。

JMCR関連では客観的に振り返ると、センサに関するチャレンジが多かったのかな、と思う。ドラッグカーの固定アナログセンサも、普通に考えると操舵に対して車体のヨー位相は必ず遅れるため、車体側にセンサを固定することは位相遅れ180度以上の発振、つまり蛇行の原因となりやすいことは分かりきっているが、自分としては「発振はOK、しかしその振幅は小さく、周期は長く、結果として見た目にはほとんど直線走行」というコンセプトを掲げ、静的な直進性が良く、僅かな修正だけで走行を継続できるロボットを目指した。振幅の最小化につながる微修正の実現が不十分なことで性能が限定されたが、チャレンジとしては面白かった。ライントレース用のセンサも、ディジタルセンサ/アナログセンサの一般的な形態を探った後、別の発展形を探してきた。30fps程度のカメラ式は明らかに高速走行の制約があるため検討外、高速性は必須、ということでリニアイメージセンサに辿り着いたりしたが、ディジタルセンサ/アナログセンサにも組み合わせやレイアウト面でまだまだ発展形があると考えている。先読みセンサはまだ未知の領域だが、競技の高速化を考えると今後はかなり重要な要素になると思われる。

ライントレース用センサの発展形を考えるようになったきっかけは、アナログセンサの設計パラメータを最適化しようとタグチメソッドの勉強をしていた際、”設計の3段階”に出会ったこと。タグチメソッドでは設計段階が

1.システム選択
2.パラメータ設計
3.許容差設計

の3段階で分類されている。自分の当初の目的は、自分のアナログセンサをよりロバストなものにすべく 2と3 を理解し実践するというものであったが、結果的に得られたロバスト性や技術的メリットは、当初より明らかに改善・向上できたものの、根本的には満足できない内容だった。結果として、センサに限らず先ずは本質を大きく左右する1に取り組み、それについて2と3 を適用しよう、という方向になった。この分類がきわめて利用価値が高く斬新なものとしてページを割いている を少し引用すると

・個々の目的機能を達成するための物理的メカニズムが基本機能
・基本機能としてどのようなシステムを採用するか(を決めること)がシステム選択

がシステム選択の概要であり、マイコンカーなどのロボットはシステム選択の結果の集合体になるが、この辺りの考え方が「先ずは全体を追わずに基本機能から固めていこう」という先日のブログでも書いた決意につながっている。個別の基本機能、基本設計が正しく実現できていれば、その上に乗せる全体の制御もより良く実現できるし、この実現が自分の考えるマイコンカー将来像の成立・実現につながる。千里の回り道も一歩から、ということで、毎日こつこつ頑張っていこう。

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