先週末までに新型センサに一区切りつけ、次の試作ありテーマとして電源回路に取り組んでいる。スイッチング電源込みの回路を作り、負荷の重さや変化パターン、受動素子の構成や定数を変えつつオシロで確認・・・やればやるほど、電源回路とは奥が深く、自分にとって未知の要素が多く、難しいテーマであると感じられた。これを安易な設計で済ませていては、いつまでたってもロボットの安定動作が運任せのようになり、不安を抱えたままになってしまう。今ここで勉強しなければならない。
5V系の安定について、過去に製作したロボットを振り返ると、
という具合で、全体としては最近の方が悪い傾向にあり、最近2台の共通項としては
- 5V系の消費電流が増大している
- バッテリー電圧を単純にリニアレギュレータで降圧している
という点がある。他方の5V系の取り方を見ると、MCX03 は”バッテリ独立&昇圧”、MCX04とHugeWheel2 は”バッテリ共通&昇圧”、HugeWheel は”バッテリ共通&昇圧電源からの降圧”ができる構成になっている。走行速度が遅いロボットもあるため言い切れない部分もあるが、個人的には 5V系に昇圧を入れていないときに、5V系の安定確保に失敗していると言えるようだ。
安定を損ねる要素としては、”負荷変動”と”ノイズ重畳”がある。後者はMCX06GRのようにパワー系の昇圧電源自体がノイズ源となったケースもあるが、本来これらの発生原因とみなせる要素は、モータとその運用形態。モータノイズについてはオシロを見ながら対策を施すことで改善できるが、コース上を加減速しつつライントレースする以上は”負荷変動”の要素が最後まで残る。走行モータについてはコアレスモータであれば定常負荷は低く、加減速時などの角速度が大きく変化する区間が問題、操舵モータはほぼ常に電流を喰い、電流ピークも大きい。走行モータと操舵モータの消費電流の和がピークとなったとき、バッテリの電圧降下がどこまで進むかが問題の要、SEVENのようにリセットがかかる降圧ロボットは、リニアレギュレータの動作電圧の下限よりバッテリ電圧が下がっている(に違いない)。
結果として降圧型のロボットは "電圧降下しにくいバッテリ" という要素を除くと、"短時間の大きな電圧降下に耐える回路構成"と"長時間の電圧降下を生じさせない負荷制御"の双方が安定のカギとなる。前者は正常動作に必要な入力(バッテリ)と出力(5V)の電位差が低い回路、電荷を他に取られずに保持できる回路が必要で、後者はモータのトルク上限に制限をかけたり、制限の最適化を狙ったバッテリ電圧の監視を行う必要がある。(リセットICの動作電圧を弄るという手もある
ようだが、本来低電圧でのマイコン動作安定を保証できないからリセットICが存在していると考えれば、明らかに"邪道"だろう。マイコン出力が設計通りに安定しなければ壊れ
てしまう回路がつながっていれば、マイコンは無事でもそちらが壊れてしまう)
しかし、降圧で安定化する以上は入出力の必要電位差をゼロにはできないし、より高い運動性能を求めてモータ電流を流せば相応の電圧降下も生じる中、今後も押し迫るバッテリ電圧降下に"降圧回路"で向き合うべきか?という点が、迷いどころの主たるところ。「以前のように昇圧回路を通して 5V電源を得た方が、今後製作するロボットにおいて安定性と自由度を高められるのではないか」というプラスの考えと、「回路の規模や複雑さを安易に拡大すべきではない。"軽量コンパクト"と"安定"の両立は難しく、問題が生じれば解決も困難」というマイナスの考えがあり、双方の綱引き状態が続いていた。
実際のクルマではどうか?というと、スターター回転時のバッテリ電圧降下時にも制御を継続しなければならないエンジン制御装置や、厳しい状況でも確実に動作しなければならないエアバッグ制御装置などで、バッテリ電圧を一度昇圧してから再度降圧する電源回路が用いられていたりする。小型の競技ロボットで使う以上マイナスの考えも無視できないが、全くあり得ない構成ではない以上、プラスの考えを立てる方向で一歩進めてみようと考えている。
最近この"昇圧→降圧路線"を後押ししているのが、FET高速駆動に用いるゲートドライバ製品の動作電圧範囲。以前に MCX04で使用したフォトカプラ TLP250 もそうだが、この手の製品は 10[V] 以上の電圧で使う前提の製品が多い。「バッテリ8本でも動作した!」と使ってしまうと、マイコン5Vと同じくバッテリ電圧降下の穴に落ちてしまう。MCX04ではTLP250を昇圧電源で駆動したが、マイコンカー用に新作するモータドライブ基板でも昇圧電源を介してゲートドライバを駆動し、一方で昇圧電圧を効率よく降圧して5V系も駆動する、というのが最新の目論見。5V系がぶら下がる分だけ昇圧回路に必要な出力電流量が増えるが、モータがぶら下がる場合と比べれば楽であるはず。バーニングなブログにも大いに刺激されつつ、バーニングしない回路を目指してコツコツ頑張ろう。本で勉強、そして実践。
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