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2007/08/29

マイコンカー用センサの新顔を追う。

先日撮りためた横須賀大会の動画、決勝トーナメントに加えて一般の部・予選の動画と、大会前日の試走を収めた動画の編集と t-suzukiさん提供スペースへのアップロードが終わった。残すは車庫入れ競技のみ。

編集の過程で各参加者のマイコンカーロボットの走りをじっくり見ているが、改めてこの競技のレベルが上がっているなと感じさせられる。自分の場合、ハードウェアの欠陥、不具合、設計ミス、精度不足、剛性不足・・・で高速走行云々以前のレベルに留まっているが、競技の経験を重ねて競技用として優れたハードウェアの製作に成功している上位レベルの競技者ほど、力を入れる対象が制御領域に移っている。この領域に入ると、走行ログの記録と分析の意味も高まるし、今や誰もがそれを活用してハードウェアの限界により近い制御ができるように努力している状況が伺える。
これが全国大会への出場権を掴むトップレベルの競技者となると、「他の参加者から一歩抜け出る」ための強力な”武器”を手にしていることが多いのではないだろうか。今回の大会でいえば、とくながさんが”π型センサ”(勝手に命名)、junさんが"ジャイロセンサ"である。二方とも、ベスト4進出のインタビューの際にこの"武器"について触れ、自身のロボットをアピールしていた。

マイコンカー競技の制御関連デバイスの場合、”頭脳”の強化、つまりマイコンの処理能力アップ云々、それによる制御周期の短縮云々という話はメインとならず、指定マイコンボードをメインに使うというのが”正道”だと思う。故に、自ずと”入力”と”出力”に目が向く。マイコンカー競技の過去を振り返れば”出力”の方が展開が早く、マクソンモータのような高性能モータがロボットに導入するケースが拡大し、多くのロボットの性能限界を引き上げることに貢献している。”入力”の方はどうだろうか。「エンコーダが広まった」「まだまだディジタルセンサが多い」「滝田先生の論文に端を発するアナログセンサが徐々に勢力を拡大」という大きな動きがあり、最近では”カーブ検出センサ” ”坂道センサ”も広がりを見せている。大会を通じて”入力”の候補として次に何があるか?と探している人と、現状維持に走る人のどちらも居ると感じたが、現状維持では埋没してしまいかねないほど、マイコンカーの競技レベル進化は早い。トップレベルを目指すなら、トップレベルの競技者が採用している”入力”は確認し、本質を見極めなければならないだろう。

先ずはとくながさんの”π型センサ”(勝ry)、役割はJMCRサイトの参加者レポートに載っている通り US/OSの判別とその程度の把握。これをうまく使えば後輪駆動ロボットでもマイコンカーの姿勢と走行ラインの安定化を図れることが今大会でも実証されている。このレポート内容を机上計算で確認することから出発。

Circle1 Excel で基本計算から実施、左の画像のような定常円を想定したシートを作成した。今回の確認には関係ないパラメータも多いので、関連パラメータのみ説明。

Curve_R: センターライン基準の半径[m]
Wheelbase: ホイールベース[m]
ArmLength: センサアーム長[m]
SlipFront: 前輪側すべり角係数
SlipRear: 後輪側すべり角係数
δStatic: 指定条件において静的に円を回る舵角[°]
PsensOfs: "位置センサ"のラインセンサに対する前後オフセット[m]
Offset_H: センターライン中央に対する、位置センサのズレ量[mm]

図はR450コースの定常円、ホイールベース 180mm、アーム長 245mm、すべりゼロの想定。すべりゼロということで、極低速で定常円を回る状況に相当する。後輪内側が最も内側を回り、スタンダードなマイコンカーなら後輪内側がコース内部にはみ出して走るような状態。これで位置センサのズレ量は 6.4mm、定常舵角は 19.18°。

Circle2 ここで前輪側のすべりだけを増し、アンダーステア状態に設定。とくながさんのレポートどおり、位置センサのズレ量が減少し、4.651mmに。アンダーステアでも定常円を回るために、自ずと舵角が増え、24.722°になっている。




Circle3今度は後輪側のすべりだけを増し、オーバーステア状態に設定。レポートの内容どおり、オーバーステアは舵角の減少という形で確認できる。






Circle4 Circle5 現実の走行では、前後のどちらもすべりゼロにはならない。速く走るほど、カーブがきついほどすべり角は増す。計算上では、ほぼニュートラルステアに近い(=前後のすべり角が等しい)特性のロボットを作ると、左図のようにR450でもR600でもラインセンサ、ピボット中点、後ろ車軸中点がセンターライン上に乗る(高速走行ゆえに大きなすべりがあっても旋回を継続できる)。最近ブームになっているホイールベースの1.5倍近い長さのセンサアームを持つ変化版SSM、有効に機能する理屈がここにあると分かる。

位置センサと舵角と車速の関係を利用して、どのような状況でもオーバーステア、アンダーステアに陥らずに安定した走行軌道を描くことができれば、速く安定する・・・とくながさんロボットは本番で一度もコースアウトしていない。”π型センサ”も含めたセンシング量とモータ制御がうまく結び付いている証拠、素晴らしいの一言。”π型センサ”は”ライントレース競技”という競技の基本前提をうまく利用し、かつ適切な効果も出せるとても良いアイデアだと思う。「本当に知りたい情報は何か?」と「どうやってそれを簡易確実に手に入れるか?」がうまく結び付いている。個人的には更に踏み込んで解析したい。

次に junさんの”ジャイロセンサ”、こちらは実際の自動車にも使われているデバイスであり、junさんはベスト4インタビューの場でもその基本的な利用方法を解説されていた。これも録画していたつもりだったが、録画ボタンを”ダブルクリック”して止まったままカメラを向けていたことに気付いたのは帰宅後・・・。同様の解説を行ってみる。

上と同様、R450の定常円旋回を想定してほしい。クルマが円を旋回するとき、クルマは円の中点を”公転”しているだけではなく、向きを徐々に変えることで”自転”もしていて、1周すれば1回の”自転”。この”自転”の速度を測るのがヨー軸角速度センサ(ジャイロセンサ)と呼ばれるデバイスである。

R450の定常円を回るとき、中央ラインに乗って走ると想定すれば 1周の長さは 2*π*0.6[m] ≒ 3.77[m]  になる。このラインを  3.5[m/s] のスピードで走れば、約1.077[s] で1周できる。ここで”自転”は1周で1回、つまり360度だから、1秒あたりの回転速度は約 334.23  度になる。この秒あたりの自転速度がヨー軸の角速度であり、ジャイロを使って得られる物理量。

このセンサをどう使うかも、”自転”に関連している。アンダーステアとは”自転”が必要より遅い状態、オーバーステアとは”自転”が必要より速い状態。必要な”自転”の速さは、舵角と走行スピードから求められる。junさんの説明は「舵角から幾何学的な走行カーブの半径を求め、それを走行スピードと共に(上のような計算で)角速度に変換し、ジャイロの出力と比較すれば、アンダーステアかオーバーステアかが分かる」というもの。さらに「アンダーステアならば後内輪にブレーキ、オーバーステアなら前外輪にブレーキ(junさんロボットはカウンターステアも可能) という対応を取ることで、アンダーステアやオーバーステアによる”自転”の乱れを抑える、つまり安定したカーブ走行軌跡を維持することができる。」というような説明も付く。基本的な理屈は難しくないのだが、ライントレース競技という前提に頼らずに角速度センサというデバイスに依存するという本質があり、かつ、このセンサの出力特性を理解して使いこなすだけの知識とノウハウが必要とあって一筋縄ではいかない。junさんの使っているセンサはかなり使うのが難しい製品のはずだが、カーブ走行は動画を見ても一番速いレベル、流石です。

どちらのセンサも上位視点でみれば”走行軌跡の安定化”であり、マイコンカー競技者として「これだ!」という走行ライン、走行挙動を如何にして安定に実現するかの手段として使っていることが分かる。すぐに追随するという手もあるが、”抽象思考”を大切にし、「本質は○○だ」「何かもっとうまい手は無いか?」と考えることも、他の競技者から一歩抜け出るためには大事かもしれない。

・・・自分は先ず、基本ハードウェアの確立。出来の悪いハードウェアでは、高度な制御は有効に機能しない。高度な制御を実現できなければ、高価な”制御用モータ”もただの高出力モータ。早く制御領域に集中できるようになりたい。

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2007/08/27

横須賀大会に出向いた方にご連絡です。

先日はメールベースでの情報展開を考えていましたが、横須賀大会の競技参加者や見学者に限定した情報展開を円滑に行うため、以下のGoogleグループを作成しました。

JMCR2008横須賀参加者

このGoogleグループの役割は

  • SNSの要領で大会参加者を招待
  • グループ内のページで情報公開先を通知
  • その他、参加者同士の情報交換

としています。宜しければ上記リンクから参加手続きをお願いします。
※重要:地区大会のコース構成が分かる情報の公衆送信を自粛するよう要請されているため、このような対応を取っています。個人的には不本意ではありますが、決まりごとということでご了承ください。

自分の方は現在、マイコンカー競技 決勝トーナメントの動画を準備中です。

GRV@MCRの t-suzukiさんに協力いただき、共有ディスクスペースもできました。ありがとうございます。

※変なメモを渡した方、もしかしたらメモはもう要らないかもしれません。
 参加を宜しくお願いしますm(_ _)m

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横須賀大会の撮影動画リスト。

JMCR公式サイトにもう横須賀の結果表が載っていた‥さすが仕事が早い。
自分はというと、先ず大会当日に撮ったマイコンカー競技一般の部と車庫入れ競技の動画整理を行った。DMX-HD1 で撮影した 2GBのSDカード2枚分の動画ファイル(MPEG4) をデスクトップPCに転送し、誰を追い回した動画か分かるように以下のようなルールで連番なファイル名を変更。

  • 一般の部・予選/車庫入れ競技のファイル名:
    #<ゼッケン番号>_<競技者名>_<カーネーム>.mp4
  • 一般の部・決勝のファイル名:
    #<撮影ゼッケン番号>_<競技者名>_<カーネーム>_<相手ゼッケン番号>.mp4
  • 2回目の走行は _2 を追加

動画のリストは このテキストファイルです。

失敗動画を除いたファイルサイズは 3.51GB、会場では番土先生と阿佐美先生に大会日に撮った全動画ファイルをSDカード経由で渡すことができたが、ココログに全てそのまま置くことはできないし、編集でカットできる部分もある。編集・圧縮してロボットランサー動画と同等にすればサイズは半分以下になるので、ここから実行。

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2007/08/26

横須賀大会終了。

夏の終わりのロボットイベント、JMCR2008横須賀大会が終了。全国からレベルの高い方々が集い、まさに第二の全国大会のような人の数と熱気の中で進行。競技参加者の皆さん、引率の先生方&保護者の皆さん、大会関係者の皆さん、お疲れさまでした。

横須賀試走日の”技術交流会”、今年は30人規模の集まりでした。「ロボットさん」 (誰かがパッと見でナゾの団体に括りを与えたらしい) の御一行として部屋に案内され、昨年同様に食事&飲み&自己紹介&歓談の展開に。集まりの名目に相応しい少し濃い目の話題、上位者への質問、神様のお告げも飛び出し、「やっぱり来て良かった」というひとときに。
二次会も急遽開催。昨年はTMCC会長様とMMC07さんとの3者ホテル部屋呑みだったが、今年はNAKAOKAさん、あざ~ずレーシングの3名様も加わっての居酒屋呑みに。自分以外は全員が工業高校の先生という場で、車輪駆動関連ネタから、学校毎の"開発体制"の違いや裏動向(?)まで垣間見える展開に。

翌日の大会本番、大会結果の詳細はJMCRサイトの公式発表に任せるものとして、マイコンカー競技は徳永さんが一度もコースアウトせずに好タイムを連発しての優勝、全国大会出場枠の獲得者は、徳永さん、河野さん、井上さん(福岡工業高校)、黒川さんの4名に。新・車庫入れ競技の結果は、昨日の試走でも高速走行を実現していた藤坂さんが優勝。
マイコンカー競技上位の方々の走りは前日の試走からカメラで追っていましたが、それを夜間にプチ整理しているだけでつい「おおっ!?」と見入ってしまう所が多々あり、気付けば夜2時半・・・夜更かしのツケは帰途に出ました。普通に見ると速すぎて何が起きているのか良く分からないが、60fps撮影した映像をスロー再生すると色々と見えてきて面白いのです。

試走日と大会当日を通し、会場でよく見に行くブログ&日記な方々にもお会いすることが出来ました。

■ はじめまして、の方々
とくながさんt-suzuki さんTAROさんHMさんふじそんさん

■ お久しぶりです、の方々
junさんTMCC会長さんTusbameさんヒライ兄弟さんMMC07さんKuroさんSTRVさん

後日&順次となりますが、会場で撮った動画について、会場で謎メモを渡した方&私がメールアドレスを把握できている横須賀参加者の方だけが見られるような形で、此処にアップロードしていく予定です。いきなり謎メールが届くかもしれませんが、ご容赦を。(妙な業者と勘違いされないようにせねば)

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2007/08/25

これから技術交流会。

JMCR2008横須賀の試走日が終了し、ホテル横須賀へ移動。19時から技術交流会、ホテルニュー横須賀の近くらしい。一休みして、TMCC会長様、NAKAOKA Familyの中岡さんと一緒にタクシーで会場のお店に移動する。今年は昨年よりも人数も多く、ロボット談義もより盛り上がりそうだ。

試走のトップタイムは遠く九州から参加した Tさんの後輪駆動ロボットが僅差でゲット、素晴らしいタイム。後輪駆動&軽量のメリットを活かせば四駆でなくともマイコンカーの第一線に立てることが実証された。隠れ後輪駆動フアンとしては喜ばしい結果。

車庫入れ競技のコースでは、開発の日々を日記に綴っていた Fさんが勢い良く走っていた。
S1

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2007/08/24

もっと早く横須賀へ。

週末の横須賀大会、日曜の朝に慌てて向かうというのが性分に合わないので、さらに計画変更。昨年も宿泊した”ホテル横須賀”の予約が取れたため、土曜の用事が終わり次第、現地に向かうことにした。土曜の用事も時間を前倒しできるかどうか、今日の仕事後に確認を行う。

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2007/08/23

やっぱり横須賀へ。

この2ヶ月近く、JMCR関連のロボット製作から離れた生活を送っている。週末に行われる JMCR2008横須賀大会にも今年はエントリーしていない。今年は会場に足を運ぶこともないかな、と考えていたが、今週になって

  • 特別競技を含め、大会に向けて頑張っている様子をブログなどで綴っている
    工業高校OBさん、先生方、常連参加者のロボットを実際に見たり、
    これはという所を質問したりしてみたい。
  • 過去3年、毎年行っているではないか。
    (3年前は見学のみ、一昨年はドラッグカー、昨年は車庫入れ)
  • 落ち着いて競技内容を見て、動画として記録に残したい。
    (競技者として行ったときは、毎回ほぼ何も残せず、ジタバタ)
  • 横須賀大会の進行は毎年楽しい。
    (滝田教授の存在が大きい)
  • 土曜はダメでも日曜は行ける。
  • 随分前に 27日の月曜日を計画有休として確保済み。
  • 新幹線の往復回数券があった。

という思いや事実が頭をよぎり、これはやはり行くしかない、と考えが変わった。早速、準備を開始。
受付と試走が始まる朝9時までに会場に着きたいが、そのためには家を 5時半に出る必要がある。参加時のように巨大で重い荷物が無いだけ移動はラクだが‥。

参加者の皆さん、ラストスパート頑張ってください!

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