« 2007年9月 | トップページ

2010/11/29

NTFより回答きたる。

未達と思っていたNTFへの質問メール、事務局の担当の方に届いていたらしく回答メールを頂いた。ご対応ありがとうございます…何度も送ってしまい申し訳ない。

まずロボトレーサの平面寸法に関する回答内容だが、

  • マイクロマウス競技規定とロボトレース競技規定は表現において若干違いが有るが、基本的な考え方は同一であり、形状の変化についてもマイクロマウスと同じ扱いで運用している。"全長"や"全幅"も、進行方向と関連付けたものではない。
  • 25cm×√2の幅があるロボットがスタート位置から発進することも規定内である。

ということで、少なくとも第31回大会では何の問題も無いようだ。
次に、以前書いたタコツボ直進という実現性や現実性は少ないが規則上の成立性判断は気になるケースについての回答内容だが、

  • このケースではロボットにその意図が有ったかどうかに関わらず、コースアウトとはみなされない。
  • 意図的にこのラインを自律走行したとしたら、大いに評価されるだろう。

ということだった。規則上に明記はされていないものの、運用上は昨日の最後に書いた

  • スタートゲートからゴールゲートに至る全てのラインの上を最低1度はロボットの一部が通過した上でゴールゲートに入り静止することが"完走"の条件
  • ロボット本体の床面への投影がライン上から完全に外れる、または上記条件を満たさずにゴールゲートに入るか逆走でスタートゲートに入る、または明らかに復帰不可な状態であるとオペレータが意思表示または審査員が判断した場合が"コースアウト"

と同等の状態にあると判断できるか。提言めいた内容も含めて「次回の規定変更時に参考にさせていただきます」とのことなので、次回以降は競技上可能な範囲、チャレンジ可能な範囲がより分かりやすくなる方向になると期待したい。

今回の回答を受けて、実現性はありそうだが未だ実践例が見られないようなショートカット走行について、一歩踏み込んでロジックを考えられる段階になった。成立性を含めてモノにならないと意味が無いが、アイデアが無いから模倣ベースでやろう…という気にもならない。競技のレベルが成熟すればするほど最初は模倣から学ばないと先達に追いつけないが、ロボトレース競技はまだその次元に無く、新発想・新技術の余地を大いに残していると思う。
これが実現できたらユニークで価値もあるな、というネタを探したい。

| | コメント (5)

2010/11/28

質問メールがNTFに届かない。。

ロボトレース競技で25cm×25cmの対角を幅に使えないのか?こんな走行は良いのか?という話がTwitter界隈でも行われていることを確認した。以下のようなロボットとコースの走り方はOKなのだろうか?など。

������35cm�������風�走���... on Twitpic

この辺がOKかどうかは運営側に聞かないと分からないため昨日からニューテクノロジー財団(NTF)のマウス関連と思われるメールアドレス宛に問い合わせメールの送信を試みているが、何度か試しても「catbus Disk quota exceeded」のため「Service unavailable」であるらしい…公開メールアドレスだからSPAMが大量に来て容量パンクに至っているのだろうか。

NTFに送ろうとしているロボトレース競技に関する質問事項は大きく2つある。次回大会の競技規則は後日決まるものとして、第31回大会における競技規則においてはどうかという前提で、以下に関する判断を得ようとしている。

  1. ロボトレース競技におけるロボットの平面サイズの解釈
  2. ロボトレース競技におけるコースアウトの定義

まず1だが、マイクロマウスクラシックとロボトレースでは平面サイズが「25cm×25cm」で共通ながら競技規則上の記述が異なっていることに触れている。違いは以下のとおり:

  • 1-3 ロボトレーサの大きさは全長25cm、全幅25cm、全高20cm 以内でなければならない。
  • 1-5 マイクロマウスの大きさは、その床面への投影が1辺25cmの正方形に収まらなければならない。走行中に形状が変化する場合も、常にこの制限を満たしていなければならない。

マウス側は非常に明快で、可動のセンサ等があっても常に枠内に収まらなければならない規則と読み取れる。一方でロボトレース側には"全長"・"全幅"という単語があり、車軸等で静的にロボットの前後方向を定義した上でサイズをチェックするのか?可動センサ等の扱いはどうなのか?という疑問が生じるため、これらに関してロボットの具体的な図と共に質問文を用意した。
個人的に期待するところは「平面サイズに関してはマウスと同一の規則」で、対角方向に進行するロボットも可能であることだが、これに関連して25×√2の幅を持つロボットをそのままスタートゲートに対向して置いてスタートできるか?という派生の質問も出している。

次に2だが、競技に関する規定におけるコースアウトの説明は以下の通り:

  • 3-1 ロボトレーサは、本体の床面への投影が常にコースを示すライン上にあるように走行する。走行中のロボトレーサ本体がライン上から完全に離れた場合をコースアウトとする。

…この内容だけでは、自分が出している「タコツボ直進」の例や上のTwitPicの例などがコースアウトとみなされるのか否かの判断が付かない。質問としては際どい「タコツボ直進」を例として、コースアウトであるか、正当な通過とみなされるのかを出している。個人的には

  • スタートゲートからゴールゲートに至る全てのラインの上を最低1度はロボットの一部が通過した上でゴールゲートに入り静止することが"完走"の条件
  • 現状の規定3-1に反する、または上記条件を満たさずにゴールゲートに入るか逆走でスタートゲートに入る、または明らかに復帰不可な状態であるとオペレータが意思表示または審査員が判断した場合が"コースアウト"

というように競技を定義することが、現状の実ライントレースが主体の競技を、積極的に仮想的なラインを定義してトレース走行する賢いロボットを許容する競技に昇華することにつながると思うし、個人的な意見として質問に沿えている。
本当にこういう競技になるとコースアウト判定が難しくなるだろうが、ロボットに関する説明を事前に提出する競技ゆえに、予想外の判定を強いられるような構図も無いかなと思う。現状では交差線を右折したら即コースアウト判定がなされているが、これも「ロボットに関する説明からは実ラインをトレースする以外の能力の存在が認められないため、復帰不可な状態であるとはみなせない」という判定ができるようになる。

| | コメント (0)

2010/11/27

ギリギリ。

ロボトレースでの最小Rタコツボへの直進突入、想像だけでは成立性が分からないので図を描いてみた。

  • 規定: 250x250mmの平面に収まること⇒248x248の枠に入れる
  • 規定: 最小Rはライン中心線を基準に100mm、ライン幅は19mm

Clip_2
…普通に幅250mmと捉えると当然足りないので、最大幅は対角方向で稼ぐ必要がある。図のようにセンターに乗せて直線で抜けるとすると、最小で"高さ約14mmの直角二等辺三角形"の領域だけをラインに乗せて走行することになる。まさにギリギリ、綱渡り。

| | コメント (0)

2010/11/26

ロボトレースのコース写真。

 ロボトレース決勝のコース写真を見る。決勝の見学時に座っていた椅子から少しカメラを持ち上げて撮った写真だけというのは失敗か…もっと高い位置から撮らないと奥側の情報量が不足する。
元写真 (原寸は3648x1364)
01_2
元写真を真上視点に変換したもの(適当)
02_2
このカメラの高さであってもレギュレーション上許されているロボットの高さよりかなり上だから、カメラ式のロボットを作ってもライン情報を精度良く使える範囲は狭そうだ。コースの効率的通過もカメラを使って云々ではなく

  • オドメトリベースでトレース走行したライン上の通過すべきポイントを抽出
  • 各ポイントの上を順番にロボット(の一部)が通過できるコースを導出
    …緩和曲線等を使った連続的なトレース走行が実現可能なコース
  • 計算されたコースを最小限の誤差でトレース
    …実ラインを使えるところは使い、使えないところはジャイロ等で補正して走行(進路周辺のラインを補正に使えるかはまだ分からない)

というような走行になるだろうか。マイクロマウスのターン走行や斜め走行で求められる技術との共通性、マイクロマウスよりも補正情報を取り難いという技術課題などが見えてきた。

前々回までのブログでは↑の最後の連続タコツボは真面目に走らなくてもいいよね?という観点で書いていたが、競技規則の

  • 3-1 ロボトレーサは、本体の床面への投影が常にコースを示すライン上にあるように走行する。走行中のロボトレーサ本体がライン上から完全に離れた場合をコースアウトとする。

からは想定しているショートカット走行が可能か否かは読み取れない。↑の連続タコツボの場合、進入前の直線からロボットを右に寄せて(ロボットの左端にラインを引っ掛けて)しまい、そのまま真っ直ぐ突っ込むような走行が効率的と思っていたが、ライン通過順序の厳密性を問われると順序が一部逆転する(奥側の凹カーブより先に手前の凸カーブを通過してしまう)という走り方はアウト判定となりそうで怖い。F1のダブルディフューザー問題ではないけれど、やるならば事前に運営側に確認しておかないといけない。

…加筆だが、ごく普通に実ラインをトレース走行するときも「トレースする前のラインにロボットの一部が乗る」ことは決勝コースのような密度の高いラインレイアウトでは普通に起きているのだから、前述のような逆転は問題とはなり得ず、一部ラインの不通過が確定となるようなライン取りをしたときにコースアウト判定がなされると解釈すべきか。(確認が必要なのは変わりない)

| | コメント (0)

2010/11/23

ロボトレースの未来予想。

昨日書いた、ロボトレース競技において"実ライン"ではなく"実質的なライン"をトレース走行するということをもう少し考えてみる。具体的には以下のようなケース:

  1. 直進や緩カーブの途中が少々うねっても、直線として走行
  2. Rの小さいヘアピンカーブや緩いカーブで大回りせず、より内側を走行
  3. 小Rの連続タコツボは複合カーブ(緩カーブ+脱出方向へのカーブ)として走行

1や2については、今回の大会でも構成上は実現可能なロボット、実践を示したロボットが存在した。ライントレースのためのセンサが本体から前に伸び、独立して左右に振ることが出来る構成のロボットが代表例だろうか。この構成を持つことでコース記憶後において

  1. ラインのうねりが小さい時はセンサだけをラインに追従させ、本体はヨーを出さずに真っ直ぐ突き進むことで、"実質的には直線走行している"とみなせる。
  2. 小Rのヘアピンでは、より手前からセンサを進行方向に振ってヘアピン奥の上部を通過させてしまう。緩いカーブでは本体をラインセンターに乗せずに走ってしまう。ルール上はそれで問題ない(はずだ)から、本体はその場所から反転を開始して問題なく、"実質的にはショートカット走行している"とみなせる。

といった可能性が出てくる。それぞれどういうアプローチが有利だろうか。

1では、センサのリーチが長いロボットほど本体のヨーを出さずに走行できるケースが増えて有利か?と思ったが、長すぎるとセンサを追従させるためのトルクや制御が厳しくなる。センサの完全追従は小さなうねりの走行時に留め、大きなうねりではセンサを前に伸ばしたまま進んだ後でセンサを確実に引き込むアプローチが有利だろうか。

2では、前に出しているセンサーや本体の横幅が大きな方が有利だと思う。重量物は重心付近に集めつつ、幅を最低限の重量で稼ぐイメージ。それで過渡的にはセンサ基板や本体やタイヤの端を引っ掛けるようにしてカーブを回った後でセンサを確実に引き込むアプローチが有利だろうか。

…どちらも一度ラインから外したセンサを確実に正しいラインに引き込めることが必要となり、そのためには"オドメトリ"が重要になる。局所的に実ラインに依存せず、ジャイロ・オドメトリ等を使って本体を確実にナビゲートする走行制御を実現することが、"違い"として高評価を得るカギだと言えそうだ。他にも走行全体のオドメトリも出来ていれば「ゴールマーカの誤認識で停車してしまう」ということも無くなるし、オドメトリで第二走行以降のマーカ依存性を下げる、それによりマーカセンサの設置自由度を上げる、という方向も有り得るだろう。
マーカセンサに関しては大会会場で「マーカセンサを確実にマーカ上に乗せるにはどうするべきか」に関する意見を聞くことが出来た。自分は可動式のラインセンサならその基板にマーカセンサも載せることが良いと考える派だが、「全ての走行回において、全てのマーカを確実に読むことが完走の"絶対条件"だ」という前提が崩れてくると、再考の余地が出てくるとも思う。

冒頭の3.は、極めて分かりやすい"違い"を作るネタではあるが、1や2に比べて難易度が高いし、1や2の実践を通して狙った走行ラインを安定して駆け抜けるナビゲート技術に目処を付けた人だけが、博打ではない3.と速さの両立を考えられるのだと思う。3の技術とは、

  • 入り組んだ実ラインを、最適な"通過ポイント"(開始/中間/終了)に置き換える技術
  • "通過ポイント"の上を確実にロボットが通るようナビゲートする技術

の集合であり、後者は1や2の技術の延長線上にあたるからだ。
前者はカメラを使った画像処理の方向しか思い付かず…今のところ重く遅く仰々しいロボットのイメージしか湧いてこない。クラシックマウスのCMOSカメラマウスのように、後続の人が出そうな程度までアイデアを昇華させないと厳しそうだ。

| | コメント (0)

2010/11/22

ひっそり生存報告。

このブログへの前回の投稿が3年以上前、客観的に見ると入院説やらが流れても仕方ない状態ですが…とりあえず元気です。

  • ロボットのシミュレータを作っていたはずが、3DCG方面の技術へどっぷり
  • さらにCGとカメラ映像を合成する方面の技術にはまり込む(今流行の何か)
  • 初期作例の公開先サイトに影響されて、音楽方面の趣味も出来てしまった

のような流れでロボット作りとブログ更新から距離を置いている状態でしたが、

  1. 本業で新規アイデアの玉出しが必要になった
  2. 19日の午後に翌日がマイクロマウスの全国大会であることを知った
  3. 「若い人の新しいアイデアが刺激になるかもしれない、行こう」と思った
  4. 夜篭ってアイデアを考えるために、つくばのホテルを前日予約、会場へ赴いた
  5. 顔を覚えてくれていた方々に「突然更新が止まったから…」と言われてしまった

ということで、生存報告がわりのブログ更新です。。

先ず会場でお会いした皆さん、運営の皆様、お疲れ様でした。事前の情報収集で「今期は好調らしいな」と把握、本番での活躍を期待していた参加者の方々が予想外の不調に終わってしまうなど意外なこともあったものの、自分の方は今日までに考えるべきアイデアを捻り出すことが出来たので第一目的は完遂。行って良かったです。

以下、大会の感想などぐだぐだと。

考え事半分ながら開会式から閉会式まで一通り見学を終えて思ったことは、やはりニューテクノロジー振興財団が主催の大会では何よりも”独創性”が大事で、且つそれに取り組んで価値を示した人がきちんと評価されているな、ということ。
例えばマウスのクラシック競技で 上向きCMOSカメラ+前左右ミラー+自作CPU内蔵のFPGAを搭載したマウスで参加された方が、本番ではゴールに辿り付けなかったのに、二度に渡って全員の前でのデモ走行と技術PRの機会を与えられ(いずれもゴール到達)、表彰もされている…そのロボットはもちろん、大会のあり方にも感銘を受けることが出来た。

"差"と"違い"は異なる。"違い"こそ本質価値であり、イノベーションを起こして明確な価値のある"違い"を作った人が評価される…本業でも言われることだが、もし大会の参加者になることを考えるときはちゃんと向き合いたい。現実には"差"を作ることさえ難しい本業があるからこそ、競技に参加するなら"違い"に拘りたい。「本業では品質や信頼性が重視されてるのでなかなか自由に出来ない、だから自由に取り組めるマウスをやる」というようなスタンスを紹介された方が居たが、同感だ。

5年前にロボトレースを見学したときかもしれないが、「豪快にドリフトしていてもラインに乗り続けているようなトレーサが見たい」というようなことを聞いた気がする。そこまで派手さは無くとも、5年も経っていれば明確な"違い"を狙ってくる人が居るかな?と期待したが、今回見た限りではまだ"実ライントレーサ"の範疇を出たロボットは無かったと思う。
工業高校生であれば、ライントレース型ロボットの題材としてコース製作が比較的容易かつ安価なロボトレースは良い題材と思えるし、運営側は模倣の要素があっても高校生のライントレーサとしての創意工夫は大いに評価すべきだと思うし、それは実践されていると感じた。一方で知識や経験が多い人には、大会の見学を通して「そろそろ"差"ではなく"違い"を出せ。いつまでも実ラインを追いかけるな」というメッセージを投げられていると感じた。個人的に参加を考えるとしたら、それに応えられるアイデアを考えざるを得ない…

"virtual"という英単語がある。これを初めて日本語で"仮想"と訳した(virtual memory⇒仮想記憶)のはIBMの方らしいが、非常に後悔しているらしい。本来は「実質上の」「実質的」という意味であり、"Virtual Reality"(VR)も"仮想現実"ではなく「現実の情報は実質的にこういうことですよね」と現実を目的に応じて要約し人工的に再構築したものになる。空想のような"仮想現実"とは受ける印象が全く違うので、後悔するのも仕方ない。
幾らか脱線したが、"virtual"を出した理由は運営からのメッセージが「ラインを"virtual"に捉えて走るロボットを作れ」というように聞こえたからだ。

  • 直進や緩カーブの途中が少々うねっても、全部直線として解釈
  • 小Rの連続タコツボは複合カーブ(緩カーブ+脱出方向へのカーブ)として解釈

のようにコース全体を"virtual"に再構築し、"実ライン"ではなく"実質的なライン"の上を自立航法+補正でトレースして走り、見た目には"実ライン"に車体の一部を重ねつつ合理的な走りをしているように見える・・・理想のロボットだと思うが、まだ空想の段階。

| | コメント (1)

« 2007年9月 | トップページ