ロボトレースの未来予想。
昨日書いた、ロボトレース競技において"実ライン"ではなく"実質的なライン"をトレース走行するということをもう少し考えてみる。具体的には以下のようなケース:
- 直進や緩カーブの途中が少々うねっても、直線として走行
- Rの小さいヘアピンカーブや緩いカーブで大回りせず、より内側を走行
- 小Rの連続タコツボは複合カーブ(緩カーブ+脱出方向へのカーブ)として走行
1や2については、今回の大会でも構成上は実現可能なロボット、実践を示したロボットが存在した。ライントレースのためのセンサが本体から前に伸び、独立して左右に振ることが出来る構成のロボットが代表例だろうか。この構成を持つことでコース記憶後において
- ラインのうねりが小さい時はセンサだけをラインに追従させ、本体はヨーを出さずに真っ直ぐ突き進むことで、"実質的には直線走行している"とみなせる。
- 小Rのヘアピンでは、より手前からセンサを進行方向に振ってヘアピン奥の上部を通過させてしまう。緩いカーブでは本体をラインセンターに乗せずに走ってしまう。ルール上はそれで問題ない(はずだ)から、本体はその場所から反転を開始して問題なく、"実質的にはショートカット走行している"とみなせる。
といった可能性が出てくる。それぞれどういうアプローチが有利だろうか。
1では、センサのリーチが長いロボットほど本体のヨーを出さずに走行できるケースが増えて有利か?と思ったが、長すぎるとセンサを追従させるためのトルクや制御が厳しくなる。センサの完全追従は小さなうねりの走行時に留め、大きなうねりではセンサを前に伸ばしたまま進んだ後でセンサを確実に引き込むアプローチが有利だろうか。
2では、前に出しているセンサーや本体の横幅が大きな方が有利だと思う。重量物は重心付近に集めつつ、幅を最低限の重量で稼ぐイメージ。それで過渡的にはセンサ基板や本体やタイヤの端を引っ掛けるようにしてカーブを回った後でセンサを確実に引き込むアプローチが有利だろうか。
…どちらも一度ラインから外したセンサを確実に正しいラインに引き込めることが必要となり、そのためには"オドメトリ"が重要になる。局所的に実ラインに依存せず、ジャイロ・オドメトリ等を使って本体を確実にナビゲートする走行制御を実現することが、"違い"として高評価を得るカギだと言えそうだ。他にも走行全体のオドメトリも出来ていれば「ゴールマーカの誤認識で停車してしまう」ということも無くなるし、オドメトリで第二走行以降のマーカ依存性を下げる、それによりマーカセンサの設置自由度を上げる、という方向も有り得るだろう。
マーカセンサに関しては大会会場で「マーカセンサを確実にマーカ上に乗せるにはどうするべきか」に関する意見を聞くことが出来た。自分は可動式のラインセンサならその基板にマーカセンサも載せることが良いと考える派だが、「全ての走行回において、全てのマーカを確実に読むことが完走の"絶対条件"だ」という前提が崩れてくると、再考の余地が出てくるとも思う。
冒頭の3.は、極めて分かりやすい"違い"を作るネタではあるが、1や2に比べて難易度が高いし、1や2の実践を通して狙った走行ラインを安定して駆け抜けるナビゲート技術に目処を付けた人だけが、博打ではない3.と速さの両立を考えられるのだと思う。3の技術とは、
- 入り組んだ実ラインを、最適な"通過ポイント"(開始/中間/終了)に置き換える技術
- "通過ポイント"の上を確実にロボットが通るようナビゲートする技術
の集合であり、後者は1や2の技術の延長線上にあたるからだ。
前者はカメラを使った画像処理の方向しか思い付かず…今のところ重く遅く仰々しいロボットのイメージしか湧いてこない。クラシックマウスのCMOSカメラマウスのように、後続の人が出そうな程度までアイデアを昇華させないと厳しそうだ。
| 固定リンク


コメント