2007/09/17

センサモデルの基本検討。

今日は敬老の日、しかし自分の業界では普通に出勤日。”完全週休二日”、完全なので三日はない(こともないか)。

シミュレーション課題の一つになっているセンサモデル、基本的なところから少しだけExcelで検討。
070917_sens_01 センサ素子の出力を模擬するためには、センサとラインの位置関係を押さえる必要がある。直線・クランク・レーンチェンジ要素については、シミュレーションの論理座標でこれらを垂直/水平方向に配置すれば、個々のセンサ素子とラインの位置関係、重なり具合はそれほど難なく求められるが、カーブ区間はどうするかというのが今日のお題。
とはいってもあまり深く考えずに、単純な方法を試行。前後2列の"センサ素子ライン"を延長し、カーブラインと”交わるライン”を求める。交点がないなら全くカーブに乗っていない。図のように”交わるライン”の範囲からセンサが完全に外れていることも判別可能。

070917_sens_02 通常トレース時には左図のようになる。個々のセンサ素子について"視野範囲"を定義し、

  • 視野範囲が黒/灰/白のラインに完全に乗っている→静的A/D値(+ノイズ要素/DC変化要素?)
  • 視野範囲が色境界に乗っている→境界からのズレ量に比例し変化する出力A/D値

を模擬する。コースモデルを数式で定義する方法をベースにしているが、個々のセンサ素子が別の数式を参照する状況が生じる点に注意しなければ。>自分

図のパラメータ表の下に出ている二つの数値は、それぞれ青線とセンターラインの交わる長さ。直線コースにセンサアームが真っ直ぐ乗った状態で代表値40ミリ、交わる角度が変われば必ず40ミリより長くなる。これはSSMセンサの取り付け間隔を狭くした状況と同じ効果をもたらし、差分出力の傾きがきつくなる、つまり変位量に対するゲインが大きくなる。この状況を想定し、SSMセンサの取り付け間隔は40ミリよりも広く設定。これまでは40.6~42くらいの範囲で試してきた。

先日”後追い検証”したUS/OS判別レポートでは前列にSSMセンサ、後列に姿勢センサが配置されていたが、横須賀で見たセンサは前後逆である、と(勝手に)推測している。前列側はかなり狭い間隔&後列側はSSMセンサらしい間隔に見えたこと、前後の位置オフセットがあれば判別可能であること、ディジタル的に見るセンサがトレースセンサより前方に出ているレイアウトの方が都合が良い(Type.Sもこのレイアウト)と思われること、などが理由。
上の図はこの推測(憶測)の下に数値を設定してみたが、「前が、後ろが」と切り離して考えず、統合的に利用できるセンサ構成と捉えた方が有効に利用できそうだ。

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2007/09/15

シミュレータ計画。

日立インターメディックスさんで、「アナログセンサー基板 Type.S」なる新型センサ基板の販売が始まっていた。マニュアルを見るとアナログ2/ディジタル6の8出力で、指定マイコンボードのA/D入力コネクタに全ピン直結しない使い方を暗に求めている。重量は8グラム、削れるものは全部削ったType.Rには至らなかったようだが薄い基板と面実装化で頑張っている。これで噂の”5モータ基板”(Type.S基板もここに接続か) もリリースされたならば、確実にアナログセンサな参加者が増加すると思われる。

話は本題、先日より始めた(稚拙な)走行軌道シミュレーション、ディジタルサーボ系のシミュレーションの取り組みを通して、包括的なマイコンカーロボットのシミュレータを作るプロジェクトの構想が浮かんできた。

  • センサモデル
    • ラインセンサモデル(アナログ/ディジタル)
      ‥ライン中心からの距離、ラインに対する角度を考慮したセンサ入力を模擬
    • エンコーダモデル
      ‥車体重心の移動速さと仕様(?ppr)、取得周期を使って位相計数入力を模擬
    • ポテンショメータモデル
      ‥有効電気角などから操舵サーボ系の A/D入力を模擬
  • 車両挙動モデル
    • 重心の前後位置、高さ、前後ロール剛性、ロール軸高さ、4輪の接地荷重、全体の慣性モーメントを考慮
    • 接地荷重、舵角とタイヤ駆動状況から、重心の速度ベクトル(速さ、方向)とその向き変化(角速度)、すべり角を模擬
  • センササーボモデル
    • センサ/センサアーム/減速ギア/前輪機構/サーボモータの慣性モーメント、サーボモータ出力特性を考慮
    • 慣性モーメントと離散的なセンサ入力、ポテンショメータ入力、PWM出力を反映したディジタルサーボ系の動きを模擬
  • 走行系サーボモデル
    • 車両の諸元、タイヤ-路面の接地状況と回転系の慣性、モータ出力特性を考慮
    • PWM出力、制御内容(正逆転/フリー/ブレーキ)を反映した車輪の動きを模擬
  • コースモデル
    • 大会仕様コースを考慮 (坂道含む)
    • 車体の現在位置に対応して必要となるライン位置、傾斜角の数式情報を上記モデルに提供
    • コースエディタによる任意コースの構築

‥個別の構想を書き並べると、実現の難しさも見えてくる。主な技術課題は車両挙動モデル/センサモデルの構築とその精度、計算速度の見極めか。早期に必要なのはコースモデルとその構築手段。コースを描くだけのエディタなら難易度は低いが、モデル連携を考えたデータ構造となるとまだ完成形は見えていない。

これらを全て実現できるとどうなるか。

  • マイコンカー制御アプリケーションプログラムでは、入出力は全てAPI経由で行う
  • APIの接続先をシミュレーション段階ではモデル関数、実走行段階ではハードウェア操作関数に設定

とすることによって、シミュレーションモデルで内容を確認できたC言語のアプリケーションプログラムを、そのままマイコンカーに載せることができる。モデルと実物の一致精度が上がれば、モデル上で任意のコースを走り、ログを分析し、制御ロジックを修正するというループが回せる。モデルを通して、理想の制御も探ることが出来る。
・・・ホンモノのクルマやレースカーでは普通に行われていることだが、個人レベルでどこまで出来るだろうか。とりあえずいきなり全体を構築できる状態ではないため、検討の薄い要素について個別に見通しを立てていく。

ホンモノの世界では工学分野の一領域となっていて参考となる論文が多々あるため、新たに探して入手。車両の運動、旋回特性、接地荷重などに触れた論文を読み、活用できるところ、マイコンカーでは不要と思われる要素を抽出する。
滝田教授の名前が入っている論文も、有名な2論文以外にも沢山ある。(「参考文献の"阿部正人"さん、安部先生の間違いですよね?」とは毎回伝え忘れてしまう)「SSMを用いた軌道誘導車両のドリフト旋回特性」「1kHzスマートカメラ搭載SSM軌道誘導車両の高速化」‥横須賀でも優勝のとくながさんに自らの論文に絡む問いかけを複数回投げていた。滝田教授は「高速走行用ライントレースカーの横滑り制御の検討」の論文も読んでいたのだろうか。

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